ニンニク栽培の今後
ジャンボニンニクの地植え栽培
ニンニク栽培といえば、今までは球ニンニク栽培が基本でした。
管理人が子供の頃は、ニンニクといえば焼肉の時などに食べるくらいで、
常食はしていなかったように思います。
ところが、最近ではイタリアやタイ、インドなどの、
ニンニクをよく使う国の料理も、定着してきました。
その流れからか、伝統的な和食にもニンニクを使ってアレンジするなど、
日常的にニンニクを使った料理を食べる機会が増えたように思います。
ニンニクの入った料理に使われるのは、球ニンニクだけではありません。
春に花茎を収穫した茎ニンニク(ニンニクの芽)や、
葉を収穫した葉ニンニクを使った料理も、食べることが多くなりました。
また、ニンニクに含まれている有効成分が注目されてきたことで、
ニンニクを加工した健康食品も増えてきました。
食事や用途が多様化することによって、同じように変化するのが栽培です。
球ニンニク以外のニンニク栽培は、今後どのようになっていくのでしょうか。
[ニンニク栽培の今後]
茎ニンニクは、料理に重宝します
■茎ニンニク(ニンニクの芽)
茎ニンニクは、ニンニクの花茎が長く伸びたところを折り取って収穫したものです。
球ニンニクのような香りがあるものの、彩も良く、
味は球ニンニクよりもマイルドで、シャキシャキとした食感が魅力です。
ほんのり甘みがあり、生よりは炒めたり揚げたりと、火を通して食べるのが一般的です。
ニンニク特有の香りがあるので食欲がそそられ、濃い目の味付けによく合います。
茎ニンニク自体は、春に花茎が自然に伸びてくるので、栽培自体は難しくありません。
球ニンニクを目的として栽培している時も、春になると花茎が伸びてきます。
この伸びてきた花茎は、あまり長く伸びないうちに折り取りますが、
少し長めになるまで待ってから折り取れば、食べられる長さで収穫できます。
ただ、球ニンニクを主な目的とする場合は、あまり長くなるまで放っておくと、
球の肥大に影響するので、早めに収穫するのがポイントです。
また、ニンニクの品種の中には、花茎が長く伸びないものもあります。
人気のホワイト六片は、環境や生育具合によって、花茎の伸長が左右されます。
球ニンニクにプラスして茎ニンニクの収穫も狙うなら、
花茎が長く伸びるタイプの品種を選ぶことも重要です。
>>ニンニクの芽 栽培
今年も紫々丸で葉ニンニクを栽培します
■葉ニンニク
葉ニンニクを栽培する場合、球ニンニクと一緒にというわけにはいきません。
球ニンニク栽培には、葉はとても重要なポイントなため、
途中で収穫することができないからです。
葉ニンニクを育てるのであれば、
葉ニンニク専用に植え付け・栽培する必要があります。
葉ニンニクの利点といえば、小さな鱗片から育てやすいところです。
球を大きく育てることがないため、株間も狭くて構いません。
球ニンニクを栽培する時、植え付ける鱗片を選別していると、
どうしても小さくて球ニンニク栽培に適さない鱗片が出てきます。
この小さな鱗片を使うことで、種球を無駄にすることなく栽培できます。
葉ニンニクは、西日本を中心に食べられてきましたが、
あまりメジャーな食品ではありませんでした。
けれど、食事の多様化と流通経路の発達により、日本全国に広まりつつあります。
茎ニンニクと同様に、葉ニンニクにもニンニク特有の香りがあります。
けれど食感は少し肉厚なニラのように、シャキッとしていておいしいです。
甘みもあるので、炒め物に最適です。
栽培も特に難しくはないので、家庭菜園でも手軽に育てられます。
食べたことがない方も、自宅で育てて楽しむことができます。
>>葉ニンニクの育て方
■無臭・ジャンボニンニク
ニンニクといえば、やはり特有の香りが思い浮かびます。
食べる時には食欲をそそるその香りも、
食べた後には口臭や体臭となるため、とても気になる存在です。
けれど、ニンニクに含まれている栄養成分が、
健康維持に役立つと思えば、どうしても食べたいですよね。
そんな時に便利なのが、無臭ニンニクやジャンボニンニクです。
これらのニンニクは、一般的なニンニクに比べると、かなり臭いの少ない品種です。
無臭ニンニクやジャンボニンニクと呼ばれるタイプのニンニクは、
実はニンニクの仲間ではなく、リーキという西洋ネギの仲間とされています。
けれどニンニクに含まれている成分と似ているため、
常食することで似たような効果が得られます。
栽培も特に難しくなく、一般的な球ニンニクの栽培方法とほぼ同じです。
球がとても大きく育つので、株間を十分にとっておくのがポイントです。
■米からニンニクへ
ニンニクの需要が上がれば、たくさん栽培する必要が出てきます。
今までは中国などから輸入したニンニクがスーパーに並ぶことが多かったのですが、
最近は、国産のニンニクも注目され見直されています。
輸入品に比べると、どうしても国産ニンニクの値段は高くなりますが、
それでも球や鱗片が大きく、また粒も揃っていて食味も良いことから、
国産ニンニクを好む人が増えてきています。
国産ニンニクを求める人が増えれば、栽培する量も増やしたいところです。
日本で人気の高いホワイト六片などは、冷涼な気候を好みます。
そのため、青森県などが主な産地となっています。
栽培する時、春以降の乾燥により、
ニンニクがかかりやすい病気が蔓延したり、生育不良になることがあります。
新たな栽培地の確保と、春以降の乾燥対策として注目されているのが、
水田のニンニク畑への転用を図ることです。
水田に使っていた土地は、土の保水力がとても高く、乾燥対策としては十分です。
ただ、保水力が高すぎると、今度は湿気が高すぎてしまい、
ニンニクの根を傷めたり、病気の原因となることがあります。
ニンニク栽培に転用する時、必ず排水が良くなるように改良する必要があります。
改良しても、何年かは排水が不十分と感じることもあるため、
その場合は畝を高くして排水性を高めて栽培するのが基本となります。
米の栽培をやめ、休耕田にしている土地も昔に比べると増えました。
そういった土地の有効利用として、ニンニク栽培は希望の光を生むかもしれません。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・ニンニクの芽 栽培
・行者ニンニク 栽培