ニンニク 地植えの栽培
■ニンニク 栽培スケジュール
■ニンニク 栽培データ
英名・学名 garlic・allium sativum L.
形態 多年草
原産地 中央アジア
草丈/樹高 40cm~50cm
収穫期 5月~6月
栽培難易度(1~5) 2
耐寒性 強い
耐暑性 普通(休眠)
特性・用途 耐寒性が強い、初心者向き
ニンニクは地植えでたくさん育てても、
長期保存ができるので便利で、とってもおいしいです。
使いたい時に自家栽培のニンニクが、
手元にあるということは嬉しいものです。
ニンニクは育て方で、質と収量が、俄然上がります。
ニンニクの地植え栽培の方法を、
画像・図を添えて、わかりやすくご紹介します。
[ニンニク 地植えの栽培]
■ニンニク 地植えの栽培
・種球の選び方
ニンニク栽培は意外と手間がかからず、
近年、たいへん人気が高まっています。
そのため、植え付け用の種球や苗も、
購入が遅れると人気品種は売り切れることもあります。
質が良く元気な種球を入手するためには、
販売時期を確認しておくか、予約しておきます。
実際に目で見て種球を選ぶ時は、
必ず傷がなく大振りのものを選ぶようにします。
押すと張りがあり変色のない種球を選びましょう。
健康な種球を選ぶことが、美味しいニンニクを育てる第一歩です。
・植え場所・栽培環境
ニンニクは、秋に植え付けを行い、伸びてきた葉で光合成をして、
本格的な冬になるまでに根を張ります。
その後、寒い冬をじっと耐え、
春になったら伸ばした根と葉で栄養を吸収し球を肥らせます。
そのため、日照の良さはとても重要な要素です。
日当たりが悪いと、生育が悪く病気にかかりやすくなるので、
できる限り日当たりの良い場所で育てるようにします。
また、水はけの悪い土だと、根腐れを起こしたり、
球が腐ったりしやすくなるので、排水性は良くしておきましょう。
畝の作り方
・畑の準備
種球を植え付ける2週間以上前までに土作りをしておきます。
土は20cm以上、できるだけ深く掘り起こし、
大きな石やゴミなどは取り除き、よく耕しておきます。
1㎡あたり完熟堆肥を5握り~6握り、
緩効性の化成肥料を大さじ7杯~8杯、
苦土石灰を100g加えて、土とよく混ぜておきます。
堆肥、肥料、石灰などをよく混ぜた後、畝を作ります。
畝は幅100cm、高さ15cmにします。
ニンニクの代表的な品種、ホワイト6片で、
株間15~20cm、条間25cmの間隔で植え付けます。
*品種により異なるのでラベルやネットで確認してください。
ホワイト六片、このように発芽します
畝は、黒マルチで覆うと、地温を維持しやすく生長を促します。
雑草も生えにくくなり、雨や水やりで肥料が流れにくくなります。
マルチは株間15~20cm、条間25cmの間隔で、
穴あきマルチを使うと、植え付ける時に便利です。
・植え付け
9月中旬~11月頃まで植え付けが可能です。
種球はそのまま植え付けるのではなく、1粒ずつにばらします。
ばらした中で、小さすぎるものや傷の入ったものなどがあれば、
取り除いておき、大きさを揃えるようにします。
皮は取り除く必要はありません。
ばらした種球は、1粒ずつ植え付けます。
とがっている方を上にし、5cm~6cmくらいの深さに植え付けます。
植え付けたら、全体にたっぷりと水を与えておきます。
・水やり
植え付けた後、土が乾燥しているようであれば、
たっぷりと水を与えるようにします。
あまり乾燥させると、生育が鈍ることがあるので、
植え付けてから本格的に寒くなるまでと、春以降は、
とくに土の状態をよく見るようにします。
寒い間は、土が乾きにくくなるので、雨だけでも十分でしょう。
ただし、何日も雨が降らずに土が乾燥している場合は、
昼間の暖かい時間に水を与えておくのが良いです。
・追肥
ニンニク栽培での追肥は、2回です。
追肥の回数は2回と少ないのですが、
タイミングを逃すと生育が鈍るので、忘れずに追肥します。
1回目の追肥は、植え付けから1か月ほど経った頃です。
それまでは元肥が効いているので、追肥する必要はありません。
2回目の追肥は、2月中旬~3月中に与えます。
この追肥は、土中のニンニクを肥らせるための肥料ですが、
時期が遅れると、ニンニクが肥料焼けを起こして傷むことがあるので、
必ず時期を守り、元気なニンニクを育てましょう。
いずれの追肥も、
緩効性の化成肥料は1㎡あたり大さじ3杯~5杯与えます。
マルチをかぶせている場合は、
マルチのところどころに穴をあけて肥料を与えます。
マルチをしていない場合は、株間に与えます。
・芽かき
植え付けた後、しばらくして葉が伸びてくると、
まれに土中で分球してしまっていることがあります。
植え付けた種球が大きく育つために、
分球した球から伸びている小さな芽とその球は摘んでください。
この時、地上部のみを切り取ると、土中に分球したものが残るので、
必ず球根から引き抜くようにするのが良いです。
引き抜きにくい時は、
少し土を掘って球根を露出させてから取り除きます。
脇芽を取り除いた後は、土を元に戻しておきます。
花蕾の摘み方
・花蕾摘み
5月頃になると、ニンニクもトウ立ちをして蕾を上げ始めます。
花を咲かせると、花に栄養を取られるので、
花が咲かないうちに摘み取ります。
花蕾があまりに小さいうちに摘むと、
葉の生長点を傷つけることがあります。
一番上の葉先と同じくらいの長さに花茎が伸びたら、
ぽきっと折って、花蕾を摘む要領でしてください。
収穫! 楽しみですね
・収穫
5月以降、地上部の葉が少し黄色くなってきたら、収穫のサインです。
数日間、雨の降っていない晴れた日を選び、収穫をします。
できれば、3日ほど晴れた日が続いてから、掘り上げるのが理想です。
葉の付け根を持って引き抜くか、スコップで掘り起こします。
簡単に引き抜くことができるので、引き抜く方法が良いです。
ホワイト六片の収穫、美味でした!
スコップで掘り上げたい場合は、
ニンニクに傷がつかないように注意しましょう。
晴天が続くようなら、畑に3日ほど置いて、
乾燥させると日持ちが良くなります。
収穫した後、そのまま調理すれば生ニンニクが味わえます。
長期間保存したい場合は、日陰で干して乾燥させましょう。
5~10株ずつ束ねてつるす
収穫ネットに入れてつるす
・保存
長期間保存する場合は、必ず乾燥させるようにします。
収穫したニンニクの根を切り、20cmほど茎を残し、
5~10株ずつ束ねて、3日~5日の間、天日に干します。
その後、軒下など風通しの良い日陰で保存します。
また、乾かしてから、茎の部分を切り取り、
収穫ネットに入れて、風通しの良い日陰で保存しても良いです。
こうすることでニンニクの中の水分が減り、傷みにくくなります。
よく乾燥させたニンニクは、冷暗所で保存するか、
紙袋などに入れて冷蔵庫で保存します。
■病害虫
比較的、病気には強く、害虫もつきにくいです。
アブラムシがたまにつくことがあるので、
見つけたら数が増えないうちに、捕殺します。
ニンニクがかかりやすい病気は、どれも土の水はけが悪かったり、
風通しや日当たりが悪いと起こりやすくなるものが多いです。
薬剤を使って防除する前に、環境を整えてあげるようにしましょう。
■ニンニク 地植え栽培のコツ
1.植え付け時期にタイミング良く栽培します
2.追肥は2回、タイミングを逃さないように
3.摘蕾して、球を肥大させましょう!
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・行者ニンニク 栽培
・ニンニクの芽 栽培