ニンニク プランターの栽培
■ニンニク 栽培スケジュール
■ニンニク 栽培データ
英名・学名 garlic・allium sativum L.
形態 多年草
原産地 中央アジア
草丈/樹高 40cm~50cm
収穫期 5月~6月
栽培難易度(1~5) 2
耐寒性 強い
耐暑性 普通(休眠)
特性・用途 耐寒性が強い、初心者向き
ニンニクは、栽培スペースを広くとる必要がないため、
プランターや鉢でも、比較的簡単に育てることができます。
プランターだと管理もしやすく、少量からの栽培もできます。
家庭菜園で育てたニンニクを使って、
おいしい生ニンニクや料理をいただきましょう!
[ニンニク プランターの栽培]
■ニンニク プランターの栽培
・種球の選び方
ニンニクの植え付け時期(9月~11月)が近づくと、
園芸店やホームセンターなどで、
種球(たねきゅう)と呼ばれるものの販売が始まります。
種球は、繁殖のための球根のことで、
ラッキョウ、ワケギなどの球根も種球と呼ばれます。
ニンニクの種球は、丸ごとの状態で売られていることが多いです。
それを1粒ずつにばらし植え付けて育てると、
1粒だったニンニクがまたいくつもの鱗片の塊となって収穫できます。
種球は一見するとどれも同じように見えますが、
やはりできるだけ状態が良いものを選ぶことが、
良いニンニクを栽培するための第一歩となります。
球根選びのコツ
◎種球を選ぶ時のポイント
・持ってみてどっしりと重みがある
・大きく首がしまっている
・色が均一で傷みがない
・指で軽く押すと張りがある
また、ニンニクには暖地向きの品種と、
寒冷地向きの品種があります。
環境に合わない種球を植え付けると、
うまく育たずに途中で枯れてしまったり、
思うように大きくならないことがあります。
植え付ける品種が地域に合うかどうかを、
よく確認してから購入しましょう。
・植え場所・栽培環境
ニンニクは風通しと日当たりの良い場所を好みます。
どちらかというと乾燥気味の方がうまく育つため、
土は、必ず水はけの良いものを選びましょう。
・プランターの準備
まず、プランターを用意します。
一般のニンニクは、深さが20cmほどあれば育てられるため、
深型プランターをを選ばなくても大丈夫です。
株間も10cm~15cmほどと広くありません。
65cmの標準プランターであれば、2条植えが可能なので、
1プランターで10粒=10鱗片くらい植え付けることができます。
ホワイト6片などのニンニクは、
株間10~15cm深さ5cm~6cmに植え付けます
ただしジャンボニンニクなど、株間を十分にとらないと、
本来の大きさまで育つことができない品種もあります。
ジャンボニンニクの株間は10~20cm、
深さは3~5㎝くらいが標準です。
ジャンボニンニクを仮置きしたところ
・植え付け
ニンニクの植え付けは9月中旬~11月頃までです。
ニンニクは25度前後が一番生育の良い気温とされるため、
早くに植え付けると暑すぎて種球が腐ってしまうことがあります。
反対に植え付けが遅すぎると、葉が十分に育つ前に寒くなり、
春以降の生育が鈍ってしまうので注意します。
用意したプランターに、水はけをよくするために鉢底石を敷きます。
鉢底石の上から野菜用培養土を入れます。
ウォータースペースをとるため、
プランターの縁から2cm~3cmほど下まで土を入れます。
プランターに入れた培養土も平らにならしたら、植え付けです。
用土を自作する場合は、赤玉土小粒(黒土でも良いです)を7割、
腐葉土を3割入れ、規定量の緩効性化成肥料を加えます。
種球の選び方
実際のニンニク種球
種球は1粒ずつばらして選別しておきます
用意した種球は、あらかじめ1粒ずつにばらしておきます。
薄皮はむかずにつけたままにしておきましょう。
ばらした鱗片を、植え付ける場所に1粒ずつ仮置きしてみます。
植え付ける場所が決まったら、鱗片のとがっている方を上にして、
5cm~6cmの深さに植え付けます。
植え付けが終わったら、容器の底から水が浸み出すくらい、
じゅうぶんに水やりをします。
・水やり
植え付けてから葉が出てくるまでは、あまり乾かさないようにします。
植え付ける時期によっては、まだ昼間は暑い日もあります。
日当たりの良い場所に置いていると、
土が乾くのも早くなるので注意しましょう。
ただし、あまり土を湿気させてしまうと、
植えた種球が腐ってしまうことがあります。
水のやり過ぎで根腐れしたニンニク
土の表面がまだ湿っているようであれば、
水やりは控え、乾くまで待ちます。
本格的に寒くなってくると、
ニンニクの生育自体も止まってしまいます。
気温も低く、ニンニク自身の水の吸い上げもないため、
土は乾きにくくなります。
雨にあたる場所で管理している場合は、
ほとんど水やりが必要ないでしょう。
長い間雨が降らなかったり、雨の当たらない場所に置いている場合は、
土の表面が乾いたと気づいてから、
2日~3日ほど待ってから水を与えるようにします。
この時、できるだけ気温が高い昼間のうちに水やりをします。
気温の低い早朝や、気温が下がる夕方に水を与えると、
土が凍ってニンニクの根を傷めてしまうことがあります。
春以降は、ニンニクも生育を再開し、
気温も少しずつ上がって乾きやすくなってきます。
土の表面が乾いていたら、たっぷりと与えるようにしましょう。
*詳しい水やりの方法は下記をご覧ください。
>>ニンニクの水やり
・追肥
プランター栽培であっても、ニンニクのおもな追肥時期は2回です。
1回目の追肥は、植え付けから1か月経った頃です。
2回目の追肥は、年越しした2月中旬~3月頃です。
いずれも緩効性の化成肥料を与えるようにします。
標準プランター1つあたり、大さじ半分(5g~7g)くらいの、
肥料を与えるようにします。
肥料は株間にぱらぱらをまいた後、軽く土と混ぜておきます。
*詳しい肥料の与え方は下記をご覧ください。
>>ニンニクの肥料
脇芽かきの方法
・脇芽かき
植え付けから2週間ほど経つと、
葉が土から顔をだし、だんだん伸びてきます。
通常、1粒の鱗片には1か所からしか葉が伸びてこないのですが、
たまに2か所から伸びてくる場合があります。
2か所から伸びた場合は、育ちの良い葉が太い方を残し、
細い方を取り除くようにします。
この脇芽を放置していると、
養分が分散してニンニクの肥りが悪くなります。
花蕾は摘んだら食べると美味しいです
・花蕾摘み
5月頃になると、伸びた葉の中心から、花芽が伸びてきます。
花を咲かせてしまうと、球の肥りが悪くなるため、
花茎が葉先と同じくらいの長さになったら切り取ります。
切り取った花芽は、ニンニクの芽として食べることができます。
ベーコンなどと炒めるととても美味しいので、
ぜひ食べてみてください。
葉がだんだんと黄ばんできたら収穫です!
・収穫
5月以降、葉がだんだんと黄色くなってきたら収穫のサインです。
天気の良い日を選び、ニンニクを収穫してみましょう。
できれば2~3日晴れた日が続いてからが理想的です。
1つ収穫してみて、お尻がへこんでいれば収穫適期です。
・保存方法
収穫したてを味わうのであれば、
ぜひ乾燥させていない生のニンニクを調理してみてください。
素揚げやホイル焼きなど、ほくほくして甘みも拡がり美味です。
乾燥させたものでは味わえない、みずみずしさと甘さが堪能できます。
長期保存したい場合は、土を落として根を切った状態のニンニクを、
3日~5日の間天日干しにして乾かします。
乾燥させたニンニクは、
雨の当たらない日陰に吊るすなどして保存しましょう。
収穫後はつるして保存します
■病害虫
病害虫には比較的強いですが、アブラムシがつくことがあります。
見つけた場合は、粘着テープなどで捕殺しましょう。
■ニンニク プランター 栽培のコツ
1.植え付け時期に遅れずに育てます
2.水や肥料を与えすぎないように
3.脇芽や花芽は、その都度摘み取ります
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・行者ニンニク 栽培
・ニンニクの芽 栽培