ジャンボニンニクをたくさん増やす方法
人気のジャンボニンニク、菜園仲間のSenaさんの収穫
ジャンボニンニクは、通常のニンニクよりも1つの鱗片が大きく、
調理しやすく、またニンニク特有の香りが少ないため、
食後の口臭が気になる方や、ニンニクの香りが苦手な方に人気があります。
家庭菜園で育てるニンニク品種の中でも人気が高いため、
できれば自宅でも増やしていきたいと考える方が多いようです。
ジャンボニンニクを増やすには、どのような方法があるのでしょうか。
[ジャンボニンニクをたくさん増やす方法]
ジャンボニンニクを増やす方法は2通りあります。
どちらの方法をとるにしても、1年で劇的に数が増えるわけではありません。
一般的なニンニクと同じように、1年で少しずつ増やしていき、
何年かかけて望む数まで増やすというやり方になります。
・鱗片で増やす
ジャンボニンニクは、1個の鱗片の大きさがとても大きいですが、
一般的なニンニクと同じように、1箇所に1個の鱗片を植えて育てます。
その1個の鱗片が育った時の収穫すると、またいくつかの鱗片に割れています。
ジャンボニンニクは、1株に複数の鱗片がつくのが普通なので、
それらの鱗片を分けて植え付けることで、数を増やすことができます。
最初に栽培する分の鱗片は必要になるので、
一番最初は鱗片(種球)の購入が必要となります。
例えば、最初のジャンボニンニクに4個の鱗片がついていたとします。
これを4株に分けて育てた時、それぞれにまた4個の鱗片がついたとしたら、
1回目の収穫で4株×4片で、16個の鱗片がとれる計算になります。
半分は食べる用にしたとして、残りの8個を栽培用に回すとすると、
2回目の栽培では8株のジャンボニンニクを育てることになります。
2回目の収穫では8株×4片となるため、収穫できる鱗片は32個となります。
これをまた半分食べて、半分を栽培用に回すとなると、
3回目の栽培では16株を栽培することができます。
これを育てて収穫すれば、3回目の収穫では16株×4片で64個の鱗片を収穫できます。
このように、少しずつですが、鱗片を増やしていくことによって、
栽培する株数を増やしていきます。
これはあくまでも単純な計算なので、株によっては鱗片の数が増減することもあり、
弱い鱗片が途中で枯れてしまうケースもあります。
また、常に半分は食べて、半分を栽培用に回す計算をしていますが、
食べる量を減らせば、それだけ栽培できる株数も増える計算になります。
ジャンボニンニクは、高いので栽培してどんどん増やしたいですね!
・木子で増やす
ジャンボニンニクには、鱗片の他に小さな木子と呼ばれる、
種のようなものがくっついていることがあります。
鱗片の外側や、球の底面にくっついていることが多く、
見ればどれが木子なのかすぐに分かります。
この小さな種のようなものは、ジャンボニンニクの赤ちゃんのようなものです。
これを土に埋めて育てることで、時間はかかりますが、
通所のジャンボニンニクと同じようなサイズに育てることができます。
小さな木子がジャンボニンニクのサイズになるためには、
だいたい3年必要といわれています。
木子は1株に1個の時もありますし、複数個ついていることもあります。
鱗片と違って小さくて食べられないので、
すべてを栽培用に回せる点が、鱗片を使って増やす方法との違いです。
育て方は、ジャンボニンニクを育てる時と同じです。
ただ、木子は普通の鱗片と違って皮がとても硬いので、
必ず皮を剥いてから土に埋めるようにします。
追肥のタイミング等も、大きなジャンボニンニクを育てる時と同じですが、
量は少量にしておきます。
また、植え付ける時の株間は、
1年目は5cm~10cm、
2年目は10cm~15cm、
3年目は20cmあけるようにします。
1年目は木子が小さく、それほど株間を必要としません。
2年目は少し大きくなるので、1年目よりは広めにとります。
3年目は通常のジャンボニンニクと同じ扱いにして育てるため、
株間は20cmとしっかりとっておきましょう。
株間が狭いと、せっかく大きく育とうとしている球部分が、
生長するスペースがなく、小さくなってしまいます。
木子の場合、鱗片と違って食べられるようになるまで数年はかかりますが、
食べられるサイズにまで育った年は、分球するためいっきに数が増えます。
鱗片で増やすか木子で増やすかは、好みにもよるかとは思いますが、
効率が良いのは、鱗片栽培でも増やしつつ、木子を肥培して大きくすることです。
収穫4日前のジャンボニンニク
■種からは増やせない?
ジャンボニンニクは、ニンニクという名前が入ってはいますが、
実はニンニクとは少し種類が異なります。
どちらかというと、西洋ネギと近縁種にあたります。
栽培中、ニンニクと同じように花茎が伸びてきますが、
種ができないニンニクとは違い、ジャンボニンニクは花の後に種ができます。
この種を播いて4年~5年かけて育てることで、
ジャンボニンニクにすることも不可能ではないでしょう。
ただ、花を咲かせて種をとるためには、
花茎をそのまま枯れるまで置いておく必要があります。
普通のニンニクを栽培する時も、花茎が伸びてきたら早めに取り除きます。
ジャンボニンニクもそれと同じように、花茎は早めに取り除くのが普通です。
というのも、花茎をそのまま放置し、花を咲かせて種をつけさせると、
そちらの体力を使ってしまい、肝心の地下の球部分が肥りにくくなるのです。
ニンニクを育てる時は、やはり地下の球部分を目的として育てます。
種をとるために、本来大きく育てたい球部分を小さくしてしたのでは、本末転倒です。
また、種から栽培するとなると、発芽率が安定しないこともある上に、
木子から育てるよりもさらに年数がかかるため、あまり現実的とはいえません。
どうしても種から育ててみたいという場合は、
1株だけ犠牲にして種を採取し、育ててみるのも良いでしょう。
けれど、効率よく株数を増やしたいということであれば、
やはり鱗片か木子で増やす方がお勧めです。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・行者ニンニク 栽培
・ニンニクの芽 栽培