ニンニク 着色球
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ニンニクといえば、皮も中の鱗片も白いタイプをよく見かけます。
特に日本では、全体が白く鱗片が大きいニンニクが人気です。
けれど、実はニンニクにも色々な品種があり、中には色がつくものもあります。
ところが、本来は着色をほとんどしないはずのニンニクが、
収穫してみると本来の色とは違っている場合があります。
こういったニンニクを「着色球」と呼びます。
着色球の症状や、起こる原因などをまとめました。
[ニンニク 着色球]
■主な症状
・表皮の色が変わる
着色球の主な症状は、表皮の変色です。
変色といっても、色が黒っぽくなるといったことではなく、
どちらかというと赤紫が入ります。
変色の仕方は様々で、表皮全体がうっすらと色づく場合もありますし、
表皮の一部に筋のようなものが入る場合などもあります。
色としては別段悪いようには感じませんが、本来出る色ではないため、
商品価値は下がります。
特に日本では、色の白いニンニクが好まれる傾向が強いため、
白色品種は白色の状態で収穫されることが望まれます。
着色しているからといって、食味が極端に落ちることはほとんどありません。
■主な原因
・土の乾燥、高温
着色球が発生する原因の多くは、土の過乾燥と高温です。
特に、栽培後半に入ってからの乾燥や高温は、着色を助長します。
着色球の発生自体、ニンニクの成熟が早まることで起こるといわれています。
栽培後半に入り、鱗片が分かれて肥大し、
成熟している過程で乾燥や高温を経験すると、
成熟がどんどん早まるため、収穫時期に入る前に着色し始めます。
・収穫遅れ
乾燥や高温を避けたとしても、収穫適期を逃して遅れて収穫した場合も、
着色球が多くみられるようになります。
これも、成熟しすぎによって、着色が起こっている可能性が高いです。
■対策
・水管理に注意
ニンニクの栽培後半に入る頃、乾燥させると成熟が進みすぎて着色します。
そのため、できるだけ過乾燥にならないよう、適湿を心掛けた水管理を行います。
注意したいのは、乾燥だけではありません。
過湿になれば、それだけ病気や根腐れなどのリスクも高くなります。
また、強く乾燥した後に急激な水分補給を行うと、これもまた着色の原因となります。
乾湿の差が大きくなると、着色球だけでなく、裂球の発生も増えます。
水の与えすぎは禁物ですが、生育中は土が乾いていると感じたら、
地植えでも水を与えるようにします。
特に、春以降の乾燥や高温が強い年は、水管理に注意が必要です。
・収穫適期を守る
収穫適期がきたら、できるだけすぐに収穫作業を行います。
収穫適期を過ぎると、着色球の発生が増えますし、裂球などの可能性も高くなります。
ニンニクは、地上の葉が三分の一~半分くらい黄変してきた頃が、収穫の適期です。
この時期を見逃さないよう、収穫時期が近づいてきたら、よく観察しましょう。
■判断基準
栽培している品種が、本来は白色のはずなのに、それ以外の色で収穫された場合は、
着色球が発生していると思って間違いありません。
ニンニクの品種はたくさんありますが、その中でも「八幡平」という品種に、
着色球の発生が多いといわれています。
もちろん、秀品率を上げるために、着色しないよう管理することも大切です。
けれど、着色球になったからといって、食味が大きく変わるわけでもありません。
家庭菜園レベルであれば、あまり気にする必要はありません。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・行者ニンニク 栽培
・ニンニクの芽 栽培