ニンニク トウ立ちしない理由は?
これをトウ立ち(抽苔=ちゅうだい)と呼びますが、
実はニンニクは絶対にトウ立ちするとは限らないのです。
では、トウ立ちしないニンニクは、
なぜトウ立ちしないのでしょうか。
[ニンニク トウ立ちしない理由は?]
■品種によるもの
簡単に言うと、ニンニクにはトウ立ちをする品種としない品種があります。
正確には、どの品種もトウ立ちはするのですが、
トウ立ちした時の状態が異なるのです。
花茎が伸びてくる完全抽苔のタイプと、
花茎が伸びずに軸の中などに留まってしまう不完全抽苔というタイプです。
・完全抽苔
完全抽苔は、葉鞘と呼ばれる軸の中心から、
長い花茎が伸びてくるタイプのニンニクのことです。
葉鞘から出てきた部分は折って取り除き、
ニンニクの芽として食べることもできます。
そのまま伸ばしっぱなしにしてしまうと、
体力を消耗して球肥りが悪くなってしまうので注意が必要です。
富良野、上海早生、壱州早生、遠州極早生などが完全抽苔の品種です。
花茎が伸びないのが不完全抽苔です
・不完全抽苔
完全抽苔とは反対に、花茎がほとんど伸びないのが不完全抽苔です。
葉鞘からほんの少しだけ花茎を伸ばした状態になるものや、
葉鞘の中で止まってしまうもの、
さらにりん茎の中で止まってしまうものなどがあります。
不完全抽苔の中でも、
りん茎の中で止まってしまったものを球内座止、
りん茎のすぐ上で止まってしまったものをダルマ、
葉鞘の中で止まってしまったものを葉鞘内座止と呼びます。
■肥料過多のため
肥料の成分の中でも、窒素が長く効きすぎていると、
トウ立ちが遅れたり、収穫までトウ立ちしないことがあるようです。
ニンニクは植え付けから収穫までの追肥の基本回数が少ない植物なので、
過度な追肥は避けるようにしましょう。
また、肥料成分についても、窒素が多いものではなく、
リン酸が少し多めに入っているものを選ぶようにします。
■種球が大き過ぎる
種球を鱗片ごとにばらした時、
鱗片1つの重さが15gを超えるような大きなものを植え付けると、
りん茎の中で花茎が止まってしまいます。
そうなるとりん茎の先端が割れたようになってしまい、
収穫した時の球の形が悪くなってしまいます。
特に福地ホワイト六片で起こりやすい症状のようなので、
植え付ける鱗片の重さを確認してみるようにしましょう。
ホワイト6片の種球
■不明
特に何が原因というわけでもなく、トウ立ちしない場合があります。
トウ立ちしなかったからといって、
球が絶対に肥らないかというと、そうでもありません。
複数のニンニクを育てていた場合、
トウ立ちしたものとしないものとがあったとしても、
収穫してみれば同じように球が大きくなっている場合もあります。
反対に思ったより球が大きくなっていないこともあります。
いつまでもトウ立ちしないからといって、
収穫を遅らせてしまうと、収穫適期を過ぎてしまうことになります。
収穫を判断する基準はトウ立ちだけではありません。
トウ立ちしなくても、葉の色や栽培日数などで収穫時期を判断します。
*地植え、プランター栽培の方法をわかりやすく書いてみましたのでご確認ください。
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培