ニンニク トウ立ち
トウが立ったニンニク
ニンニクのトウ立ちという言葉はよく聞きますが、
それは、どういう意味なのでしょうか。
実際にトウ立ちしたらどうすれば良いかを織り交ぜて、
ニンニクのトウ立ちについて、詳しくご紹介していきます。
[ニンニク トウ立ち]
■ニンニク トウ立ち
・トウ立ちとは?
ニンニクに限らず、野菜を育てていると
「トウ立ち=抽苔(ちゅうだい) 」という言葉をよく耳にします。
この「トウ(薹)」は、植物の花茎のことです。
「トウ立ち」とは、花茎が伸びることを言います。
花を楽しむための、寄せ植えや花壇に植えられるような、
観賞用の植物には、トウ立ちしてもあまり使いません。
どちらかといえば、ハクサイ、レタスなど葉を楽しむ野菜や、
ニンニク、タマネギ、ダイコンなど地中で育つ野菜が、
花茎を伸ばした時に使うことが多い言葉です。
ニンニクは、長い花茎の先に総苞と呼ばれる袋状のものの中に、
小さな花やむかごが入っています。
そして、花茎が伸びた後、総苞が破れて花が咲きますが、
ニンニク栽培をしている場合、たいていの場合は花茎ごと取り除きます。
・トウ立ちの時期
収穫する頃から1か月ほど前にトウ立ちするニンニクがほとんどです。
ニンニクには早生や晩生などがあるため、時期は品種によってずれがあります。
「富良野」「遠州極早生」「上海早生」「壱州早生」など、
一般的なものであれば、5月~6月頃にトウ立ちすることが多いです。
「沖縄早生」に代表される品種ではトウ立ちしないものもあるため、
トウ立ちをしないからといって異常とは限りません。
・トウ立ちしたら
トウ立ちを迎えたニンニクは、軸の一番上から伸びてきます。
葉や球が収穫目的でない場合は、そのまま開花させても良いですが、
花を咲かせてしまうと、ニンニクの球根部分の収穫は貧弱になります。
長い花茎を伸ばして花を咲かせるということは、
ニンニクにとってはとても体力の必要な仕事です。
トウ立ちをする時期の前後は、
ちょうどニンニクの球が肥り始める頃と同時期になります。
そのため、トウ立ちを優先させてしまうと、
球にまで十分な栄養が回らなくなり、
結果として球肥りが悪くなっていまいます。
葉ニンニクとして楽しんでいる場合も、
花を咲かせてしまうと葉が硬くなってしまうため、
できるだけトウを早く摘んだ方が美味しい葉が収穫できます。
伸びてきた花茎は、短いと摘みにくいですが早く摘むようにします。
ハサミを使わず、手でぽきっと折るようにするのが良いです。
◎トウを摘む時期と方法
一番上の葉と同じくらいの長さに花茎が伸びていたら、
手で簡単に折れるはずです。
どうしても折れない場合は、細菌感染を防ぐため、
消毒したハサミなどを使って花茎を切り取ります。
花茎を切り取る時は、上の方ではなく、
できるだけ付け根から切るようにしましょう。
ニンニクの芽・茎は、美味しくいただけます
・花茎は食用に美味
取り除いた花茎は、食用にすると美味です。
スーパーの野菜売り場などで「ニンニクの芽」を、
見かけたことがあるかと思います。
芽とついていますが、鱗片から発芽した芽を切り取ったものではなく、
トウ立ちした花茎を切り取ったものです。
売られているものはまっすぐに伸びていますが、
栽培しているニンニクから実際に花茎が伸びてくると、
くにゃりと曲がっていますが美味にいただけます。
これは販売されている真っ直ぐな芽は、
ニンニクの芽として収穫するための品種を栽培しているためです。
家庭菜園のニンニクの花茎が、
曲がっていても、まったく問題はありません。
*地植え、プランター栽培の方法をわかりやすく書いてみましたのでご確認ください。
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培