ニンニク栽培 5月
5月のニンニク畑
ニンニク栽培は、日本全国どこでも行えます。
日本は細長い国なので、栽培する地域によって、気候が変わります。
寒い地域は寒地と呼ばれ、暖かい地域は暖地と呼ばれます。
寒地と暖地の中間くらいの場所は、中間地と呼ばれ、
どこでニンニクを育てるかによって、適した品種や収穫の時期が変わります。
5月になると、暖地ではニンニクの収穫が始まる品種も出てきます。
対して寒地では、まだまだ収穫までに時間がかかることが多く、
地域によって手入れも変える必要があります。
5月のニンニク栽培では、どのような作業が必要になるのでしょうか。
[ニンニク栽培 5月]
■5月のニンニク
5月のニンニクは、地域によって状態に差が出ます。
寒地ではトウ立ちが目立つようになってきますが、
暖地や中間地では、いよいよ収穫間近になってきています。
寒地では、花芽が伸びてくるトウ立ちという状態が多く見られる時期です。
品種によって花芽が長く伸びるかどうかが変わりますが、
寒地で多く栽培されているホワイト六片などは、
花芽が長く伸びることが多い品種です。
対して、暖地や中間地では、収穫時期が近づいてきているため、
地上部の生長はあまり目立ちません。
特に暖地で早生種を栽培している場合は、
5月に入る頃には収穫を迎えていることもあります。
ニンニクの品種や生育状態に合わせた管理を行うことで、
十分に球を肥大させ、良いニンニクを収穫できるようになります。
■5月の作業
・病害虫の防除
ニンニクの病害虫被害は、収穫まで気が抜けません。
寒地ではようやく暖かい日が増えてくる頃ですが、
中間地や暖地では、真夏日が出ることもあります。
ニンニクがかかりやすい病気の多くは、
水はけの悪い土や風通しの悪い環境の中だと、発生の可能性が高くなります。
どの地域で栽培している場合であっても、収穫の時まで気を抜かないようにしましょう。
日々の見回りの時、葉や地際付近に病気の症状が出ていないか、
食害痕がないかどうかをチェックします。
早期発見できてすぐに対処すれば、
生育に影響する前に改善できる可能性も高まります。
過湿に注意して水やりを行い、風通しが悪くならないよう、
周りの雑草を取り除くなどの工夫をすると、病気のリスクが下がります。
もちろん、適応している薬剤を利用することで、強く防除することも可能です。
薬剤を使う場合は、使うタイミングや回数などに注意し、説明書の通りに散布します。
・花芽の摘み取り
寒地では、まだ花芽が伸びてくることがあります。
トウ立ちした時に伸びてくる花茎は、折りとった後に食べることができます。
けれど、欲張って長くしようと放っておくと、
球の肥大に影響するので、ほどほどにしておきましょう。
花茎の長さは、ニンニクの品種や栽培環境によって変わるので、
長く伸びることを期待せず、早めに取り除いておくのがお勧めです。
・収穫
暖地や中間地で栽培している、極早生や早生のニンニクであれば、
5月頃から収穫が始まります。
暖地での栽培であれば、早いと4月から収穫が始まる場合もあるほどです。
ニンニクの収穫のタイミングは、枯れ具合で見るのが普通です。
地上部が半分以上黄化してきたら、試し掘りをしてみると良いでしょう。
球のお尻部分を見た時、根が出ている部分が周りと平らくらいになっていれば、
収穫に適しています。
お尻(根が出ている部分)が周りに比べて出っ張っている場合は、
まだ収穫には早いです。
反対に、お尻が引っ込んでいる時は、収穫には遅めです。
早めに収穫しておかないと、球割れが起こりやすくなるので、注意します。
極早生や早生のニンニクの中には、収穫適期になっていても、
地上部の枯れがほとんど見られないものもあります。
この場合は、収穫適期の時期に入ったら、まずは試し掘りをして、
ニンニクの状態を確認します。
試し掘りをした時のニンニクのお尻の状態によって、収穫するかどうかを判断します。
試し掘りをしたニンニクも、土をかぶせて戻しておけば、
他の株と一緒に適期まで生育させられるので、
掘る時に根や球に傷をつけないように注意します。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・行者ニンニク 栽培
・ニンニクの芽 栽培