モラドにんにく
モラドにんにく(アホモラード) C)アンブロシア
モラドにんにくは、スペイン産のニンニクとして、
スーパーなどで売られているのを見かけることがあります。
名前は「モラドにんにく」だったり「アホモラード」だったり様々です。
「アホ」とは、スペイン語で「AJO」と書き、意味はニンニクです。
アホモラードは「AJO MORADO」と書き、モラドにんにくを指します。
つまり、モラドにんにくも、アホモラードも同じものということになります。
最近までは、あまり見かけることの少なかった注目のニンニク、
スペイン産のニンニクですが、どのような特徴のニンニクかご紹介します。
[モラドにんにく]
・色・形
形は日本で人気の高い、ホワイト六片に似ています。
一番外側の皮が白いですが、一枚皮を剥いてみると、
中からは鮮やかな赤紫色をした皮が出てきます。
これはモラドにんにくの一番の特徴です。
色の出方は個体差が大きいため、中には薄い赤紫色をしていたり、
白と赤紫がまだら模様になっている場合もあります。
色のついている皮をさらに剥くと、中からは白い鱗片が顔を出します。
モラドにんにくは、「スペイン産紫ニンニク」という名で、
売られることがありますが、皮の部分だけ紫色で中の鱗片は白色をしています。
鱗片の数は、ホワイト六片に比べると少し多く、6個~10個です。
中国産などのニンニクのように、小さな鱗片が多く集まっている品種と、
ホワイト六片のちょうど中間くらいの数です。
鱗片の数が少ない分、中国産のものよりは鱗片が大きいので、
皮も剥きやすく使いやすいです。
ホワイト六片よりも小ぶりな鱗片なので、
少しだけ使いたいという時にも重宝しそうです。
・香りと味
モラドにんにくは、香りの強さが特徴です。
ニンニク特有の食欲をそそる香りが強く、オイルなどによく香りが移ります。
そのため、パスタ料理など、最初にオリーブオイルに香りを移して、
作るような料理に向いています。
モラドにんにくの不思議なところは、香りは強く、味がマイルドなところです。
モラドにんにく単体に火を入れて食べてみると、
ほんのり甘みのあるニンニクの味がしますが、
他の材料と一緒に料理に使うと、ニンニクの刺激的な味がほとんどしません。
ニンニクの香りをつけつつ、味は他の素材の邪魔をしないので、
料理の素材を、より引き立たせてくれます。
もう1つ不思議なのが、ニンニクの臭いが手にほとんど残らない点です。
一般的なニンニクは、皮を剥いてスライスしただけでも、
手にニンニクの臭いが移ってしまいます。
モラドにんにくは、皮を剥いても刻んでも、あまり手に臭いが移りません。
洗えばすぐに消えるくらいなので、
手に臭いがつくのが嫌でニンニク料理を避けている方にはお勧めの品種です。
■モラドにんにくの栽培
栽培用に種球が販売されているのは、まだ見たことがありません。
もしスーパーで購入したモラドにんにくから芽が出たら、植えてみても面白いでしょう。
特別な栽培方法は特にないので、一般的なニンニクと同じ育て方で問題ありません。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・行者ニンニク 栽培
・ニンニクの芽 栽培