ニンニクと無臭ニンニクの違い
ジャンボニンニク
ジャンボニンニクの種球のラベル
ニンニク売り場では、一般的によく見かける球ニンニクの他に、
海外から輸入したピンク色をしたニンニクなどもあります。
その中に、普通のニンニクの何倍も大きいニンニクが売られていることがあります。
無臭ニンニクやジャンボニンニクという名前で流通しているこのニンニクは、
普通のニンニクとどこが違うのでしょうか。
[ニンニクと無臭ニンニクの違い]
■ニンニクと無臭ニンニクの違い
ニンニクと無臭ニンニクは、色々な違いがあります。
実てすぐに分かる見た目の違いから、含まれている成分の違いなど、
ニンニクと無臭ニンニクの違いをまとめました。
1．大きさ
ニンニクと無臭ニンニクを見て、すぐに分かる違いといえば、大きさです。
普通のニンニクに慣れていると、無臭ニンニクを初めて見た時には、
その大きさに驚くはずです。
それもそのはずで、無臭ニンニクは普通のニンニクの10倍以上の大きさがあるのです。
無臭ニンニクの鱗片1つで、普通のニンニクの1球分以上の重量があることもあります。
鱗片1つ1つがとても大きく、表面の皮が少し破れていることも多いので、
ダイナミックな印象です。
*無臭ニンニクには、一般のニンニクと同じくらいの大きさのものもあります。
無臭ニンニク
無臭ニンニクの種球のラベル
2．実は仲間ではない
無臭ニンニクは「ニンニク」という言葉がついているため、
普通のニンニクの仲間だと思われていることが多いですが、実は仲間ではありません。
どちらもヒガンバナ科ネギ属の植物ですが、普通のニンニクはニンニク種、
無臭ニンニクの方はリーキ種となっています。
無臭ニンニクの方のリーキとは、西洋ネギの1種で、ポロネギなどの仲間です。
つまり、無臭ニンニクは西洋ネギの仲間ということになります。
球部分が肥るのは、普通のニンニクとなんら変わりがありませんが、
生物学的には、このような違いがあるのです。
3．香りの違い
ニンニクといえば、パンチ力のある独特の強い香りが特徴です。
それに対して、無臭ニンニクは「無臭」とついていることから分かる通り、
普通のニンニクほどの強い香りはありません。
リーキという西洋ネギの仲間であるためか、香りはとてもマイルドで、
それほどパンチ力はありません。
一般的なニンニクの香りが苦手な方や、翌日の口臭や体臭が気になる方は、
無臭ニンニクを食べた方が臭いが残りにくいのでお勧めです。
ただ、ニンニクのあの強い香りを求めて無臭ニンニクを食べると、
とても頼りなく感じるので、食べる時には注意が必要です。
4．味の違い
ニンニクと無臭ニンニクは、味も少し異なります。
普通のニンニクは、品種による差が多少ありますが、
生で食べると強く辛みを感じることがあります。
沖縄で育てられている島ニンニクなどは、強い辛みと香りが特徴のニンニクです。
青森県で多く生産されているホワイト六片などは、
加熱した時に甘みと旨みが凝縮され、とてもおいしくなります。
無臭ニンニクは、どちらかというとホワイト六片タイプの食味をしています。
大きな鱗片は、生でも食べることができますが、じっくりと火を通して調理すると、
ほくほくとした食感になり、甘みが強くなります。
5．成分の違い
ニンニクには、あの強い香りの元となるアリシンという成分が豊富に含まれています。
ところが、無臭ニンニクには、ニンニクの1/60しかアリシンが含まれていません。
つまり、無臭ニンニクにニンニク特有の香りが少ないのは、
アリシンの含有量が少ないためでもあったのです。
アリシンには、滋養強壮などの健康食品としても効果も期待できるとされているため、
無臭ニンニクを食べても、そういった効果が少ないということになります。
けれど、無臭ニンニクにはサポニンという成分が多く含まれています。
サポニンは、肥満予防は免疫力アップ、肝臓強化などの効果があるとされ、
近年とても注目されています。
無臭ニンニクはアリシンの含有量が少ない分、サポニンの含有量が多いことで、
健康に良い食品として人気が高まっているのです。
普通のニンニク、無臭ニンニクそれぞれに、違った成分が含まれていて、
その分違った効果が期待できます。
効能の違いによって、食べるニンニクを変えるというのも、良い方法ですね。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・行者ニンニク 栽培
・ニンニクの芽 栽培
