ニンニク イモグサレセンチュウ

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ニンニク イモグサレセンチュウ

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イモグサレセンチュウの被害は、とても分かりにくいです

 

 

イモグサレセンチュウは、1984年に初めて被害が確認された害虫です。
ネコブセンチュウなどのセンチュウ類と同じように、
土壌に潜み、ニンニクに寄生して被害を出します。

 

ところが、イモグサレセンチュウの場合は、生育中の被害にはとどまりません。
イモグサレセンチュウが発生した時の症状などを理解し、対策をりましょう。

 

 

[ニンニク イモグサレセンチュウ]

 

 

■発生する時期と状況

 

イモグサレセンチュウは、ニンニクの栽培中は寄生される可能性があります。
ただ、土壌中にイモグサレセンチュウがいなければ、当然寄生されることはありません。

 

ただ、イモグサレセンチュウの場合は、土壌にいなくても、
ニンニクの種球自体に残っていた場合は、被害が出るようになります。

 

しかも、種球から土壌に移動した後、
再びニンニクの根などに寄生して増殖するため、種球のチェックは必要不可欠です。

 

イモグサレセンチュウに寄生されたニンニクは、
栽培初期の段階であれば、発芽が著しく遅れたり、
発芽できずに欠株となる場合があります。

 

栽培後半に症状が出る場合は、
地上部の葉がだんだんと黄色く変色し、元気がなくなります。

 

これはイモグサレセンチュウが、ニンニクの根に寄生し、
うまく養分や水分を吸えなくなった結果です。

 

イモグサレセンチュウに寄生された状態で収穫したニンニクは、
根や根の付け根部分が茶色くなります。

 

中には、表面上は特に問題がないように見えていても、
皮を剥いてみると、中の鱗片が変色しているということもあります。

 

根などにイモグサレセンチュウが残っていた場合、
乾燥・貯蔵中もイモグサレセンチュウの被害がどんどん進みます。

 

収穫後、50日ほど経つと、鱗片のお尻の部分の変色が目立つようになり、
中にはスポンジ状になることもあります。

 

さらに被害が出ている部分から雑菌が入り込み、
増殖して鱗片を腐らせてしまうこともあるので、とても厄介です。

 

イモグサレセンチュウは、栽培中よりも、
貯蔵中の被害が大きくなることで気づく場合が多いので、注意が必要です。

 

 

■発生原因

 

土壌にイモグサレセンチュウがいない場合は、寄生された種球を栽培に使ったことで、
土壌にイモグサレセンチュウが入り込み、増殖して被害が大きくなるケースがほとんどです。

 

また、被害が出ているの関わらず、何の対策もせずにニンニク栽培を続けていると、
どんどん被害が大きくなっていくので、被害が出たら必ず対策をとることがポイントです。

 

 

■対策

 

被害が大きくなればなるほど、せっかく育てたニンニクが、
料理にも使えない状態となるので、とても残念な気持ちになります。

 

出荷を目的とする農家であれば、大打撃を受けることもあるため、
まずは土壌にイモグサレセンチュウを持ち込まないようにすることが重要です。

 

一度イモグサレセンチュウが土壌に残ってしまうと、
完全に駆除することは非常に困難になります。

 

種球の選別は必ず行い、さらに種球と土壌の消毒は、
イモグサレセンチュウ対策には欠かせません。
さらに収穫後の対応次第で、貯蔵中の被害も軽減することができます。

 

・種球
種球は、収穫物を貯蔵していたものを使う場合も、
購入したものを使う場合も、植え付け前には必ず選別を行います。

 

鱗片の植え付け方法には、皮を剥く方法と剥かない方法がありますが、
いずれにしても、鱗片に変色がないかをチェックしておく必要があります。
皮を剥いて定植する方が、皮の内側のチェックができるので、心配な場合はお勧めです。

 

・種球の消毒
種球の選別を行った後、被害痕のない鱗片だけを使う場合でも、
植え付け前の消毒をしておくことで、
もし土壌中にイモグサレセンチュウがいた場合、寄生の予防になります。

 

消毒の薬剤は、ベンレートTが使えます。
ベンレートTは、植え付け後には使用できない薬剤なので、
必ず植え付け前に、鱗片全体に湿粉衣しておきましょう。

 

・土壌消毒
以前にイモグサレセンチュウの被害が出た場合はもちろん、
すでに土壌にイモグサレセンチュウがいるかどうかわからない場合でも、
念のため消毒を行っておくのも有効です。

 

土壌消毒には、ダゾメット剤という薬剤が使えます。
表層だけでなく、ニンニクの根が届くくらいの深さまでしっかりと混和し、
消毒するのがコツです。

 

混和した後は、被覆して14日ほど置いておく必要があります。
そのため、土壌消毒を行う場合は、植え付け予定から計算し、
余裕をもって行うようにしましょう。

 

・収穫後の処置
ニンニクの収穫後は、根や根の付け根部分に、
最もイモグサレセンチュウが残っている可能性が高いので、
この部分をすぐに切り落とすようにします。

 

その後、できるだけ早く乾燥させることで、
残ったイモグサレセンチュウの内部への侵入を防ぎます。

 

乾燥は、だいたい2週間ほどかけて温風などに当てます。
急速に乾燥させることにより、イモグサレセンチュウも乾燥して死滅します。

 

・水田に戻す
イモグサレセンチュウの被害が確認できた場合は、
土壌消毒によって軽減することができますが、
他にも水で埋めることでも、減らすことができます。

 

田んぼからニンニク栽培用地に転用していた場合は、2年ほど稲作に戻します。
イモグサレセンチュウが潜んでいる土を、
水田に戻して水に浸すことにより、イモグサレセンチュウの数が減ります。

 

■参考

・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・ニンニクの芽 栽培
・行者ニンニク 栽培



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タグ : 

ニンニク 病害虫 生理障害

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