ニンニク 沖縄
島ニンニクの鱗片
ニンニクは日本のどのスーパーでも見かける食材で、
本州の多くの店舗では、青森県産のホワイト六片が置かれています。
けれど、ニンニクを生産しているのは、青森県だけではありません。
特に沖縄は、地産地消の考えが強いためか、
地元産のニンニクが並んでいることも少なくなりません。
そんな沖縄とニンニクには、どのような関係があるのでしょうか。
[ニンニク 沖縄]
■沖縄のニンニク
沖縄のスーパーでも、青森県産や中国産のニンニクはたくさん並んでいます。
けれど、沖縄で育てられてきた品種も、同じように並んでいることが多いようです。
沖縄には、2種類のニンニクが育てられてきました。
1つは沖縄以外でも知られていることが多い島ニンニク、
もう1つがあまり知られていない沖縄早生という品種です。
この2つの品種は、それぞれどのような特徴を持ったニンニクなのでしょうか。
・島ニンニク
島ニンニクは、沖縄で育てられているニンニクとして有名です。
ニンニクの植え付け時期になると、
ホームセンターなどでも種球が並ぶことがあります。
そんな島ニンニクは、青森県産のホワイト六片に比べて、
玉全体が小ぶりなのが特徴です。
皮を剥いて中を見てみると、
鱗片の1つ1つもとても小さく、細かく分かれているのがわかります。
ホワイト六片であれば、5片~7片ほどであることが多いのに比べ、
島ニンニクは20片ほどになることもあるほどです。
皮が少々むきにくいのが難点ですが、かなりパンチのある香りと辛みがあります。
そのため、薬味のようにして生で食べるのがお勧めです。
あるいは、醤油漬けや塩漬け、黒糖漬けなど保存食にして食べるのも良いでしょう。
・沖縄早生
沖縄早生は、あまり知られていない品種名ですが、
島ニンニクよりも早くに収穫できる極早生タイプのニンニク品種です。
島ニンニクと同じように、玉全体も鱗片も小ぶりなのが特徴です。
さらに沖縄早生の場合、皮が赤紫色をしていることが多いのも特徴的です。
味も島ニンニクと似ているかと思いきや、
味も香りも通常のニンニクよりもマイルドです。
他の食材の邪魔をしないため、炒め物やパスタ料理などに幅広く使えます。
もちろん、味噌漬けや醤油漬けなどの保存食にも向きます。
ヤカベ 沖縄黒糖
■ニンニクを使った沖縄の料理
沖縄でも、ニンニクを使った料理はたくさん食べられています。
けれど、古くからニンニクが薬のように扱われてきたためか、
伝統的には民間療法に使用するために保存食に加工されることも多いです。
代表的なものには、黒糖漬けや泡盛漬け、醤油漬けのように、
調味料やアルコールに漬けておく方法と、
ニンニク味噌のように調理したものとがあります。
黒糖や泡盛などの調味料に漬けておくタイプの保存食は、
保存できる期間が長い分、漬け込む時間もかかります。
そのため、まとめて仕込んでおいて、長い時間をかけてじっくりと漬け込み、
常食しながら少しずつ消費していきます。
ニンニク味噌は、みじん切りにしたニンニクを、
味噌と砂糖と一緒に練りながら火にかけて調理したものです。
調味料のみで漬け込んだ保存食に比べると、
日持ち性は少し劣るものの、作ってすぐに食べられるのが魅力的です。
沖縄では、日常的にスタミナ満点のニンニクを食べているからこそ、
暑くて湿度の高い中でも元気に暮らしていけるのかもしれません。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・行者ニンニク 栽培
・ニンニクの芽 栽培