プランター栽培 マルチ
プランター栽培 マルチ
ニンニクなど家庭菜園をしていると育て方の中に「マルチ」という言葉が出てきます。
マルチとは、土を覆う資材の総称で、野菜栽培には欠かせないものです。
けれど、マルチ自体は無理に使用しなくても良いものでもあります。
では、なぜマルチを使うよう推奨されるのでしょうか。
また、ニンニクをはじめマルチをしておいた方が良い野菜の種類や、
プランター栽培では必要かどうかをご説明します。
[プランター栽培 マルチ]
■マルチの種類と特徴
マルチと一口に言っても、種類は様々です。
大きくは、ビニール・もみ殻・ワラ・腐葉土などという風に分けられますが、
中でもビニールマルチは素材や色によって種類がたくさんあります。
それぞれのマルチの特徴と、どのような効果があるのかを知ると便利です。
・ビニールマルチ
名前の通り、ビニール製のマルチング材です。
薄いビニールですが、用途によって黒・透明・ダブルなどがあります。
どのビニールマルチでも効果があるのが、
乾燥防止・土の跳ね上がり防止・地温を上げるというものです。
よく使われるのは、黒いビニールと透明のビニールです。
黒いマルチは、色が黒いことから雑草を抑制させる働きがあるとされますが、
意外なことに地温を上げる効果は普通程度です。
透明のものは地温を上げる効果がとても高いですが、
透明であるがゆえに、雑草を防止する効果は薄くなります。
ダブルというのは、表面と裏の色が異なるもののことです。
表面は銀色や白色で、裏が黒というものが多いです。
表面が銀色になっているので、アブラムシなどの害虫を忌避することができます。
白色の場合は、地温が上がりすぎるのを防ぐ効果があります。
どちらも裏側が黒色になっていることで、雑草の発生を抑える効果があります。
季節や野菜の種類によって使い分けると良いのですが、
すべてを常にそろえてくには、場所もお金もかかります。
地温・害虫・雑草などの、どの効果を優先するかによって、
常備しておくビニールマルチを変えても良いでしょう。
種を播いたり、苗を植え付ける前に土を覆っておく必要があります。
・もみ殻、ワラ、腐葉土
もみ殻やワラ、腐葉土などもマルチとして利用することができます。
これらのマルチの最大の特徴は、自然素材を使っていることです。
土に返るまでにかかる時間は色々ですが、
どれも土と混ぜればそのうち土に戻ります。
ビニールマルチの場合は、化学製品なので、土に混ぜても残ってしまいます。
これらのマルチ材に共通している効果は、
乾燥防止・地温低下抑制・雑草防止・土跳ね防止・霜よけです。
ビニールマルチの場合は、地温を上げる効果がありましたが、
自然素材のマルチの場合は、地温を上げるというよりは、
低くなるのを防ぐというイメージの方が強いです。
また、気温変化による地温の急激な変化を防ぐ効果もあります。
もみ殻、ワラ、腐葉土の中では、腐葉土がホームセンターなどで、
年中販売されているので、一番手に入れやすいでしょう。
ただ、腐葉土はコガネムシの幼虫が好み、害虫を呼ぶ可能性があります。
また、半分土になった状態なので、イチゴやスイカなど、
果実を直接乗せていると、雨などで汚れる可能性が高くなります。
もみ殻やワラは、時期によっては手に入りにくいこともありますが、
果実を汚す心配がありません。
その代わり、土に返るまでに少し時間がかかります。
種を播いたり、苗を植え付けたりした後で株元を覆うように使います。
野菜の生育状況を見ながら使えるのが利点です。
■マルチが必要な野菜
家庭菜園でマルチは便利ですが、必ずしも必要とは限りません。
野菜の種類によっても、マルチをした方が良い野菜となくても良い野菜があります。
・マルチをした方が良い野菜
マルチをした方が良い秋植えの野菜では、
ダイコン・キャベツ・ハクサイ・レタス・ブロッコリー・
ニンニク・タマネギ・ソラマメ・イチゴ・ジャガイモなどです。
中でも、タマネギやニンニクは栽培期間が長く、
雑草の発生が生育に大きく影響するため、黒色のビニールマルチがお勧めです。
イチゴは汚れないよう、ビニールマルチかワラやもみ殻が良いでしょう。
ソラマメの場合は、春先にアブラムシが必ずといってよいほど発生します。
そのため、表面が銀色のダブルマルチがお勧めです。
秋ジャガイモは、地温を確保することで生育が良くなるので、
黒マルチや透明マルチにしたいところですが、
途中で土寄せが必要となるので、ビニールマルチは向きません。
ワラやもみ殻であれば、地温が急激に下がるのを防いでくれますし、
乾燥の防止にもなります。
・マルチがなくても良い野菜
チンゲンサイやミズナ、ホウレンソウなど、
種を播いたり苗を植えてから、収穫までの日数が短いものは、
マルチがなくても構いません。
もちろん、乾燥防止のためなどでマルチを使いたい場合は、
使っても問題はありません。
■プランターとマルチ
マルチといえば、地植えでの栽培に使うイメージが強いですが、
プランター栽培でもマルチを使うことで、生育が良くなることがあります。
プランターは土の量が限られているため、
地植えよりも乾燥しやすいことが多いです。
さらにプランターの中の土は、外気温の影響を受けやすいため、
できるだけ温度変化を緩やかにした方が、急に枯れたりする心配が減ります。
・ビニールマルチ
プランター栽培では、一番使わなさそうなマルチですが、意外と使えます。
プランターに土を入れて平らにならした後、植え付け前に使います。
プランターの四方の土に埋めるように、
ビニールマルチの端を押し込む方法が一般的です。
他には、プランターごとビニールマルチで多い、裾を麻紐などで縛っておきます。
土とマルチとの間に空間ができるものの、
紐をはずせばマルチを簡単にめくることができるので、追肥の時などに便利です。
一番簡単なのは、プランターのサイズに切ったビニールを表面に置き、
端を重石やピックで留める方法です。
・もみ殻、ワラ、腐葉土など
地植えの時と同じように使います。
育てている野菜の株元を覆うように施します。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・行者ニンニク 栽培
・ニンニクの芽 栽培