ニンニク 種子をむく?
ニンニクの鱗片(左)と鱗片の皮をむいたもの(右)
ニンニクの植え付けをする時、育て方の資料には、
鱗片ごとに分けて植えると書かれています。
ニンニクの鱗片は皮に包まれているのですが、
この時、この皮をむくのかどうか悩むことがあります。
ニンニクの皮はむいて植えるべきなのでしょうか。
それとも、つけたままの方が良いのでしょうか。
[ニンニク 種子をむく?]
■皮をむかずに植える
ニンニクを植え付ける時、
一般的には皮をむかずに植えることの方が多いかと思います。
ニンニクの種球を鱗片ごとにばらすと、
薄く向こうが透けるくらいの皮と、少し厚めの皮に包まれています。
向こうが透けるくらい薄い皮は、ニンニクの球全体を包んでいる皮で、
少し厚めの皮は鱗片ごとに分かれて包んでいます。
薄い方の皮は原則としてむきますが、
鱗片を直接包んでいる少し厚めの皮を残して植え付けるのが、
皮をむかずに植える方法です。
皮をむいていないので、外からの湿気の影響を受けにくいのが特徴です。
湿気の影響を受けにくいということは、水分や気温を感じ、
ニンニクが発芽するのに少し時間がかかります。
また、厚めの皮をむかないので、直接中の様子を見ることができません。
園芸書にも鱗片を植え付ける方法が記載されていることが多いため、
実践した結果の成功例が多いのも魅力の1つです。
現在のニンニク栽培の基本としては、こちらを採用することが多いです。
一般的に、ニンニクは鱗片にばらして植え付けます
■皮をむいて植える
鱗片を包んでいる、少し厚めの皮もむいてから植え付ける方法です。
皮を残して植え付けるのに比べると発芽が早く、厳寒期までの生育が良いのが特徴です。
皮をむいてしまっているため、周りの土などから湿気の影響を受けやすく、
早植えすると傷みやすい傾向があるようです。
また、発芽が早く生長しやすいので、
早植えすることで厳寒期までに大きく生長し、寒害にあいやすくなります。
皮をむくことで、直接鱗片の様子を見ることができます。
実際に皮をむいてみると、薄皮の上からでは分からなかったことを知ることができます。
まずは、1つだと思っていた鱗片が複数含まれていることです。
皮をつけたまま植え付けると、1か所から複数の芽が出てくることがあります。
これは皮の中の鱗片が複数に分かれていて、そこから芽が出るためです。
皮をむくことで、この複数ある鱗片を割ることができます。
そのため、発芽した時に複数の芽が出てくる可能性がほぼなくなります。
つまり、脇芽かきをする必要がなくなります。
皮をむくと脇芽かきをする必要と手間がなくなります
重なっていた鱗片をばらすことで、さらに植え付けられる数を増やすこともできます。
次に、鱗片自体に出ている、病気や害虫の痕を見ることができます。
皮の上からでは、どうしても中の様子を知るのに限界があります。
皮をむいてしまえば、中の鱗片がきれいな状態なのか、茶色く変色していたり、
害虫の食害痕があるのかなどを直接チェックすることができます。
病害虫の痕が見られるものは、そのまま知らずに植え付けてしまうと、
病害虫の原因となるものを持ち込んでしまうことになります。
植え付ける時、できれば排除しておきたいので、これはとても大きなメリットです。
今まで皮をむかずに植え付けていたものを、皮をむいて植え付けるようになると、
皮1枚ですが手間がかかるようになります。
けれど、農家のように広大な敷地に大量の鱗片を植え付けるのでないならば、
さして手間ではありません。
家庭菜園で育てる程度のニンニクの量であれば、
皮をむくのもあまり時間はかからないでしょう。
■どちらが良いか
結論としては、どちらが絶対に良いというわけではありません。
皮をむいて植え付ける方法は、現状ではまだ一般的な方法ではありません。
まだ半信半疑といった方も多いでしょう。
管理人も、今年試してみます。
実際に両方を実験した方の中には、どちらかが良かったと思うこともあれば、
どちらも大して変わらなかったということもあります。
育て方や環境によっては、どちらに軍配が上がるかわかりませんが、
どちらがよく育つか、一度実験してみるもの面白いでしょう。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・ニンニクの芽 栽培
・行者ニンニク 栽培