ニンニク 種の採取
ニンニクの種は、種球や鱗片のことです
ニンニクは、一般的植物のような種では増えません。
地中にできる鱗片が集まった球がそのまま種球となり、
次の栽培に使うことができます。
ネット通販などで「ニンニク種子」という名前の種が販売されています。
これは「種」ではなく、球の状態の種球や鱗片を販売しているため、
実際に届いてみるとイメージと違うと感じることがあります。
販売されているニンニクの種子は、ニンニクの球や鱗片なので、
ニンニク栽培をしていれば、その優良な株を選んで種球にできます。
[ニンニク 種の採取]
■ニンニク 種の採取
ニンニクの種は、球状のニンニクをそのままばらしたものです。
育てているニンニクから種球をとり、次の栽培時には種球を購入せずに育てたい、
という場合、収穫したニンニクを次の栽培まで保存しておく必要があります。
つまり、次のニンニク栽培に使うための種球は、
前回のニンニク栽培で育てたニンニクを選抜して使うということになります。
上手に選抜していくと、1割くらい大きな良いニンニクを収穫できます。
ニンニクは品種にもよりますが、1株で鱗片が5個~10個ほどとれます。
一般的な植物の種のように、1株から数100個もの種はとれません。
そのため、次の栽培に自家製の種球を使う場合、
その分を計算に入れて育てておく必要があります。
種球はこんな感じで販売されています
■ジャンボニンニク(無臭ニンニク) 種の採取
ニンニクの中でも、ジャンボニンニクや無臭ニンニクと呼ばれている、
鱗片がとても大きな品種があります。
これらのニンニクは、実はニンニクとは遠い親戚くらいのもので、
本来は西洋ネギ(リーキ)の仲間です。
形状がニンニクに似ているため、ニンニクと名前についています。
ジャンボニンニクや無臭ニンニクは、ホワイト六片のようなニンニクとは違うため、
伸びてきた花茎をそのまま放っておくと、花が咲いて種ができます。
この種を使って栽培することはできるのですが、
立派なサイズのジャンボニンニクが収穫できるまでには、時間がかかります。
そのため、ジャンボニンニクの場合も、
他のニンニクと同じように鱗片を植え付けて育てるのが基本となります。
あるいは、ジャンボニンニクなどを収穫した時、
小さなコブ(木子)がついていることがあります。
薄い皮を何枚が剥いてみると、そのコブの部分がぽろりととれます。
これを種のようにまいて育てることでも、ジャンボニンニクを育てることができます。
ジャンボニンニクや無臭ニンニクは、ニンニクとは違う性質を持っているからこそ、
色々な方法で育てることができます。
良いニンニクを毎年選別すると、良質の重くて美味しいニンニクが多くできます
■ニンニクの種の保存と選び方
次のニンニク栽培に使うための種球は、
ニンニクを植え付けた後から選別していきます。
まず種球を植え付けた後に芽が出てきたら、
ウィルス病にかかっていない株を探します。
ウィルス病にかかっていないものに、
紐などで分かるように印をつけておきます。
その後、栽培中に病害虫の被害にあったものは印をはずし、
次の種球候補からはずします。
印をつけておいた株が育ったら、
収穫した時の球の肥大具合を見てさらに選別します。
鱗片が大きいものは、植え付けた後も大きく育ちやすいので、
球自体が大きいものというよりは、鱗片が大きいものを選ぶようにします。
また、収穫して乾燥した後、首のすぼまり具合や変色、
傷みなどがないかをチェックし、優良なものを種球用に残します。
風通しの良いネットで保存、画像はちょっとぎゅうぎゅう詰めですね
次の栽培の種球用に選別したものは、料理用のものと混ざらないように印をつけ、
風通しの良いネットなどに入れて日陰で保存します。
できる限り湿気がこもらない、涼しい場所で保存すれば、
次の植え付けまで十分残しておくことができます。
念入りに選別しても、植え付け時期になって鱗片ごとにばらしてみると、
いくらかは不良なものが出てきます。
年によってほとんど出ないこともありますが、10%くらい不良が出るので、
その分を考慮して残しておくようにすると、失敗が減ります。
植え付け前に鱗片ごとにばらした時、優良球が多く植え付けられなくても、
料理に使うことができるので、多めに残しておいた方が便利です。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・ニンニクの芽 栽培
・行者ニンニク 栽培