ニンニク 米ぬか
畑にぬかをまいています
ニンニク栽培に限らず、米ぬかを使った栽培法が人気を集めています。
精米する時に出るので、自社で精米を行っている定食屋の店先や、
コイン精米所の近く、米の直売所などでも、無料で配られていることがあります。
そのため、一般の方でも入手がしやすく、
また化成肥料よりも有機質肥料を使って栽培したいと考えている方にとっては、
とっつきやすい有機質となっています。
ニンニク栽培で米ぬかを使うと、どのようなことが起こるのでしょうか。
[ニンニク 米ぬか]
■ニンニク 米ぬか
ニンニク栽培で米ぬかを使うことが注目されているのは、
やはり使ったことによるメリットが大きいためです。
まずは、ニンニク栽培で米ぬかを使った時に、
どのようなメリットがあるかをご紹介します。
・食味を良くする
ニンニク栽培に使う肥料を、米ぬかを使った有機質肥料にすることで、
ニンニクの食味を良くするといわれています。
これは、米ぬかにリン酸が多く含まれていることが、大きな理由です。
ニンニク栽培では、窒素・リン酸・カリが同等のものを与えることが多いですが、
リン酸がやや多めの方が、球の肥りが良くなるといわれています。
そのため、追肥のタイミングによっては、
リン酸が多めのものを与えるという方もいます。
また、米ぬかに限らず、有機質肥料を使うことによって、じっくりと肥料成分が効き、
かつ土の中の微生物が活発化するため、食味が良くなると考えられています。
・雑草予防
ニンニクは、栽培期間がとても長い植物です。
しかも、雑草が発生しやすい秋と春の両方を経験するため、
雑草が繁茂することによる被害を受けることもあります。
雑草がたくさんはえた状態で育てていると、
雑草に寄ってきた害虫の被害をニンニクが受けたり、
雑草に栄養を取られたりすることがあります。
その結果、ニンニクの生育が悪くなり、収量が激減します。
米ぬかを畝の表面にまいておくことで、雑草予防になるといわれています。
米ぬかをまいた場所とそうでない場所では、
雑草の発生にかなりの差が出たという実験結果もあります。
米ぬかを使う前に下記の注意事項をご一読ください
■米ぬかでの失敗
米ぬかを使うことで、生育や食味が良くなり、雑草の発生も抑えられるので、
良いことばかりのように感じます。
けれど、時には米ぬかを使うことで、失敗することもあります。
・害虫被害
米ぬかは有機質のため、土にまぜると腐熟が始まります。
有機物が腐熟する時の臭いにつられ、害虫が寄ってくることがあります。
・ガス被害
米ぬかは、その他の有機物の分解を促進する働きもします。
鶏ふんや堆肥、油カスなど、未熟な有機物が混ざった土に米ぬかを入れると、
分解を促進するため、ガスが多く発生することがあります。
アンモニアなどのガスは、少量であれば問題ありませんが、
量が増えるとニンニクの根を傷めます。
根を傷めたニンニクは、生育不良になったり、地上部が枯れることもあります。
■米ぬかを使う時のポイント
米ぬかを使うことで失敗することはありますが、
うまく使えばメリットになることも間違いではありません。
ニンニク栽培で米ぬかを上手に使うため、ポイントを守って使用しましょう。
・発酵させてから使う
米ぬかと未熟な有機物を合わせると、どうしてもガスの発生が促されます。
元肥や追肥として米ぬかを使いたいのであれば、
一度発酵させてから使うのがお勧めです。
すでに完熟発酵させたものなら、ガスの発生が減らせます。
また、土作りの時に加える堆肥や鶏ふんなども、
あらかじめ発酵させてあるものを選ぶと良いでしょう。
・土と混ぜない
米ぬかを土に混ぜると、どうしても地中の害虫を寄せやすくなります。
また、土中の有機物と反応して発酵が始まり、ガスが発生する原因にもあります。
雑草よけとして利用するなら、土の表面にまくのが効果的なので、
土には混ぜずにまくだけにとどめましょう。
・ビニールマルチやトンネルの利用
土の表面にまくだけにとどめたとしても、害虫の被害が心配な場合は、
ビニールマルチやトンネルを利用し、害虫を寄せ付けないようにしておくのがお勧めです。
害虫が入る隙間を減らすことで、臭いにつられてやってきた虫をシャットアウトできます。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・行者ニンニク 栽培
・ニンニクの芽 栽培