ニンニク 生育診断
ニンニクは栽培期間が長いので、収穫までの間に、
ニンニクがちゃんと元気に育っているのか気になります
農家のように営利目的でなくても、
育てているニンニクがきちんと大きく育てば嬉しいものです。
ニンニク栽培初心者なら、途中の生育状態を確認するのも楽しみですし、
何度か育てている方は、生育の診断で収量を上げることができるでしょう。
ニンニクの生育状態を診断する方法は3つです。
根の状態を見る、葉先の枯れ具合を見る、二重葉かを見るという方法です。
それぞれ、いつどのようにして診断するのかをご紹介します。
[ニンニク 生育診断]
■根の状態
地上部の生長は問題なさそうに見えても、
実際に根を見てみると、意外と調子を崩している株があることが分かります。
根のチェックを行うことで、
生育不良を早期発見し、原因を取り除くことができます。
根の生育チェックは、植え付けを行って芽が出そろった頃から、
冬になって生育が止まる前までの間に行います。
チェックの仕方は難しくはありません。
まず、対象の株をスコップなどを使って掘り上げます。
手で引っ張って抜くと、根が途中で切れてしまうことがあるので、
必ずスコップなどを使って、根が傷つかないようにするのがポイントです。
掘り上げたニンニクは、根に付着している土を丁寧に水で洗い流します。
土を洗い流すことで、根の状態をよく観察することができます。
根が見えるようになったら、良い根の状態かどうかを見極めましょう。
元気なニンニクの根
◎根の見分け方
水で洗って土を流すと、根の状態が良く見えるようになります。
元気そうに見えていた株も、根はぼろぼろだったり、
思っていたほど地下は生長していないことがあります。
・良い根
良い根の特徴は、全体的に白くてツヤがあり、
途中で切れたりせずに先までしっかりとつながっています。
根数が多いのも良い根です。
・悪い根
根の状態があまり良くないものは、茶色く変色している箇所があったり、
途中で切れたり、やけに縮れたりしているものです。
根の数が極端に少ないものも、調子が悪い株です。
◎根の調子が悪い原因
根の量が少なかったり、変色が見られるのは、なぜ調子が悪くなっているのでしょうか。
原因を知ることができれば、栽培中でも改善を試みることができます。
・変色している
根の一部が茶色く変色していたり、根の途中でぽろっと折れる症状は、
未熟な堆肥や鶏糞を大量に使うと起きやすくなります。
また、育てている土の水はけが悪い場合も、似たような症状が出やすくなります。
水はけの良い土を使い、堆肥は完熟のものを使うようにします。
・縮れている
根が細くて縮れる症状は、土壌消毒剤を使用した後の、
ガス抜きがうまくできていない時に発生しやすくなります。
また、根は細くないけれど締まりがなく、荒く縮れたようになる症状は、
窒素過多によって発生しやすくなります。
ニンニクの健康な葉
■葉先の枯れ
ニンニクを育てていると、葉の先端が枯れてくる症状が出ることがあります。
葉先が枯れる症状は、強い寒さで当たることでも発生しますが、
寒さの場合は特に問題はありません。
ただ、葉先が枯れるといっても、だんだんと進む場合には注意が必要です。
葉先が枯れてくる症状が出る原因としては他に、窒素過多や肥料不足があげられます。
窒素過多になることで根が傷み、その影響が葉先に出ます。
反対に肥料が不足している場合も、葉先が枯れたようになることがあります。
この2つは理由が正反対のため、しっかりと見極めておかないと、
処置することで事態を悪化させることにもなりかねません。
葉先の枯れを見つけたら、根のチェックも併せて行うようにします。
根の傷みが見られる場合は、窒素過多である可能性が高くなります。
肥料が足りずに葉先が枯れている場合は、根が傷んでいることはありません。
根が傷んでいない場合は、追肥をして様子を見ます。
もし根に傷みがある場合は、窒素過多のため、
水やりを加減して症状が進まないようにコントロールしましょう。
■二重葉
他の植物でも、窒素過多になると生育に支障が出るケースが多いですが、
ニンニクの場合も同じです。
ただ、ニンニクは地上部が葉鞘と葉だけなので、
窒素過多かどうかの見極めが少し難しい野菜です。
窒素過多のサインとしては、葉色がやたらと濃い、
葉が軟弱になって折れやすくなる、二重葉が発生するなどがあります。
中でも二重葉は、ニンニクの窒素過多の症状として分かりやすいので、
時々チェックするようにしましょう。
二重葉は、名前の通り葉が2枚重なったように見えるもののことです。
葉の表面にもう1枚の葉が乗ったようになっており、
横から見ると葉の縁が二重になったように見えます。
また、二重葉を手でもんでみると、表面と中が外れたようになります。
健全な葉を同じ力加減でもんでみても、そのような風にはなりません。
二重葉は、越冬後の生育期に見られることが多いので、この時期は要注意です。
株の全体の葉がそうなるというわけではなく、
中位の5葉~6葉に発生することが多いので、そのくらいの葉をチェックします。
窒素過多は、株が軟弱に育ってしまうだけでなく、
病害虫にかかりやすくなり、収穫後の球ニンニクの貯蔵性が低下したりと、
良いことはありません。
窒素過多の症状を見つけた時は、水やりを控えることで、
窒素の吸収を抑えることができます。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・ニンニクの芽 栽培
・行者ニンニク 栽培