ニンニク 二重葉
葉が厚ぼったく見えるニンニク(11.05 )
ニンニクを育てていると、なんだか様子がおかしいのに気付くことがあります。
一見すると正常に育っているように見えても、
よく見ると葉が重なったような症状が出ている時は、要注意です。
ニンニクの葉が二重になるのには、どのような原因があるのでしょうか。
[ニンニク 二重葉]
■ニンニクの二重葉とは?
ニンニクの葉の上に、もう1枚葉を重ねたように見える症状が出ることがあります。
これは「二重葉」と呼ばれる症状で、あまり良い状態とはいえません。
二重葉の症状が出ている株は、
葉の色が濃過ぎたり、地上部の生育が良過ぎるといった症状が出ることがあります。
これらの症状には、実は共通した原因があります。
二重葉の症状が出ている!(2016.11.10)
■二重葉になる原因
二重葉、葉色が濃い、地上部の過繁茂に共通する原因は、肥料過多です。
特に、窒素が多い状態になると、これらの症状が出やすくなります。
肥料には、窒素・リン酸・カリの3つの要素が基本として含まれています。
それぞれにはそれぞれの役割があり、窒素は枝葉を茂らせ、
リン酸は花付きや実付きを良くし、カリは根を強くします。
この中で窒素が多い状態は、枝葉が茂りすぎる傾向にあるということです。
ニンニクの場合は、地上部はほとんど葉で構成されているため、
葉の色が濃くなったり、重なったようになったりする症状が出るのです。
ニンニクはおもに地下にできる球ニンニクを目的とする場合が多いですが、
収穫してみるまでは、地下の状態は分かりません。
そのため、地上部で生育の具合を判断するのが基本となりますが、
地上部の生育が良かったのに、収穫してみると球が小さいということがあります。
葉がよく茂り球が小さいのは、窒素が多く、地上部だけが発達してしまい、
肝心の球を肥らせる成分が少なかったということになります。
また、ニンニク自身が、球を肥らせるよりも、
地上部の生長を優先してしまうことにもつながります。
いずれにしても、球ニンニクを目的に栽培するのであれば、良い状態とはいえません。
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■窒素過多を避けるには?
二重葉の原因が窒素過多であるなら、
窒素過多にならないように栽培するのが一番です。
まずは、元肥、追肥で、窒素過多にならないようにすることが大切です。
もし窒素過多となった場合には、どうすれば良いのでしょうか。
・肥料の選択
ニンニクを育てる時に使う肥料は、窒素・リン酸・カリが同等量含まれている、
8:8:8や、7:8:7などのリン酸が少し多めになっているものがお勧めです。
窒素・リン酸・カリの配合量が適していれば、汎用性のある肥料で構いません。
もし迷った時は、ニンニク用の肥料を購入すると良いでしょう。
元肥も追肥も、基本の育て方に沿った量を与えるのであれば問題ありませんが、
自己流で多めに追肥をしてしまうと、肥料過多になる場合があります。
安全策としては、気持ち少なめに肥料を与えるようにすることです。
粒状の肥料を少なめに与え、もし生育期間中に肥料切れのサインが出たら、
即効性のある液体肥料で追肥を行います。
こうすると、肥料過多にならず、かつ肥料が足りなくなった場合にすぐ対処できます。
・水分調整
窒素は水にとても溶けやすい性質があります。
すでに窒素過多の症状が出ている場合、与えてしまった肥料を戻すことはできません。
その代わり、水分量を調節することで、窒素の効き目を弱めることができます。
栽培後半であれば、水分を過剰に与えるよりも少し乾き気味にすることで、
窒素過多を軽減することができます。
反対に、大量に水を与えることで、肥料成分を流してしまうという方法もあります。
数日の間、いつもの何倍もの水を与えて、肥料成分を流します。
この方法は、地植えよりもプランターなどの容器栽培に適しています。
地植えはどこまでも地面なので、肥料成分が流れたと思っていても、
どこかに留まってしまう可能性があります。
その点、容器栽培であれば、大量の水を与えることで、
容器の底から余分な水もたくさん流れてきます。
この流れた水の中に、肥料から溶け出た成分が含まれ、
肥料成分が流亡し、少なくなります。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・ニンニクの芽 栽培
・行者ニンニク 栽培