行者ニンニク 種から栽培

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行者ニンニク 種から栽培

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行者ニンニクは、山菜としてとても人気があります、
けれど、自分で栽培するとなると、少しハードルが高い気がします

 

 

確かに、栽培環境や管理を間違えると、うまく育たないことが多いので、
初心者には難しいかもしれません。

 

けれどその分、育ってきた時の喜びは大きいものです。

難しいとされる行者ニンニク栽培愛好家も、少なくありません。

 

苗から栽培していると、やってみたくなるのが、種からの栽培です。

行者ニンニクを種から栽培するには、どのようにすれば良いのでしょうか。

 

 

[行者ニンニク 種から栽培]

 

 

■種から栽培する手順

 

行者ニンニクを種から育てる場合の手順です。

 

1. 種を入手する
2. 種を播く
3. 地上に芽が出たら育てる
4. 3年目に移植する
5. 成株になったら収穫する

 

作業自体はそれほど多くありませんが、
行者ニンニクは育つまでに時間がかかる植物です。

 

地上に芽が出てくるまでにも1年ほどかかるので、
諦めない心が条件となります。

 

 

ヤフオクで出品されていた行者ニンニクの種

 

 

■種の入手(採種)

 

行者ニンニクを種から育てるには、まず種を入手しなければいけません。
行者ニンニクの種は、乾燥に弱いという研究結果があるため、
ホームセンターなどで市販されていることはほとんどありません。

 

ヤフオクに出品されていたり、インターネット通販で入手することもできますが、
たいていの場合は、自宅で育てている行者ニンニクから採取します。

 

行者ニンニクは、春になるとネギ坊主のような花を咲かせます。
小さな花が玉状に集まって1つの塊となって咲くので、咲いている姿も面白いです。

 

花は花球の上部から開花し、徐々に下におりていきます。
花の後には緑色のハート形をした実がつき、その中では種が熟していきます。

 

種が熟すと、ハートの実が乾燥して割れ、
中の黒く熟した種が見えるようになります。
開花が上部から始まるのと同じように、種が熟すのも上部からです。

 

ただ、行者ニンニクの種は乾燥に弱いため、
熟後から採取までに時間がかかりすぎると、発芽率が著しく悪くなります。

 

玉の上部の実が乾燥して裂開して種が見え、
下部の実が茶色くなってきた頃が、採種の適期です。

 

この時期は、上部は完全に熟した状態ですし、下部も裂開はしていないものの、
中の種はある程度熟しています。
これを過ぎると、上部の種が乾燥し、発芽率が落ちていきます。

 

玉ごと切り取って採種したら、手で軽く揉んで殻と種を分離させます。
それをザルに入れて水を張ったバケツなどに入れると、
軽い殻だけが浮いてくるので、殻を取り除いておきましょう。

 

水に入れると、殻と一緒に浮いてくる種と、沈んだままになる種とに分かれます。
一般的には、沈んでいる種の方が比重が大きく、良い状態だといわれています。

 

けれど、行者ニンニクは発芽率がもともとそれほど高くなく、
しかも成株になるまでに何年もかかります。
その間に、播いた種よりもかなり数が減ります。

 

浮いている種も、発芽する可能性は十分に残っています。
多くの種を播きたい場合は、浮いている種も一緒に播くと、無駄になりません。

 

 

■種播き

 

・種を播く時期
行者ニンニクの種を実際に播くのは、採種した直後か、前処理をした後すぐです。
時期としては7月下旬~9月上旬になります。

 

採種した種をそのまま播く場合は、乾燥しないうちに育苗箱などに播きます。
前処理を行う場合、状態によって前処理に10日~30日ほどかかるので、
その後に播くことになります。

 

・種まき前の処理
種を播く前の処理は、絶対にしなければいけないことはありません。
けれど、前処理を行った方が発芽率が良くなるというデータがあるので、
興味のある方は試してみると良いでしょう。

 

種まきは、

 

1. 種の殻をとります。
2. 30度の恒温に当てるか、12時間ごとに15度と25度の交互に当てます。
3. 10日~30日経ったら種を播きます。

 

常に30度を保つか、12時間ごとに温度を変えるかは、お好みで構いませんが、
実験データとしては、12時間ごとに温度を変えた方が、
発芽率が良いという結果が出ているようです。

 

ただ、高温を保つ上に乾燥を防止するため、
濡れた新聞紙などをかぶせて暗所にしておきます。

 

そのため、カビなどが発生しやすい環境となります。
放っておくとすぐに雑菌やカビが繁殖するので、注意が必要です。

 

 

 

 

・種を播く場所
種から育てるのであれば、直播きよりも育苗箱などに播くのがお勧めです。
発泡スチロール製の箱などがあれば、それで構いません。

 

発泡スチロール製であれば、過度な乾燥を防ぎやすいのでお勧めです。
もし準備できない場合は、鉢やプランターでも構いません。

 

行者ニンニクは乾燥が苦手なので、水抜きの穴さえきちんとあいていれば、
鉢底石は不要です。
どうしても水はけが気になる場合のみ、底に薄く敷いておくと良いでしょう。

 

播き方としては、バラ播きかすじ播きが良いでしょう。
種が重ならないように注意します。

 

・覆土の厚さ
行者ニンニクは、暗所でやや湿った場所の方が、発芽率が高くなります。
また、水やりの時に種が流れてしまわないためにも、覆土はきちんとし、
なおかつ鎮圧をしておきます。

 

覆土の厚さは、だいたい2cmくらいが目安です。
あまり深くすると、地上に葉が出にくくなるので、
2cmを越えないように注意します。

 

2cm覆土した後は、手で表面を軽く押して鎮圧します。
鎮圧しておくことで、水をかけても種が流れにくくなりますし、
土の中での生長も安定します。

 

・種まき後の管理
種を播いた後、地上に葉が出てくるようになるのは、翌年です。
けれど、種を播いた年も、地下では生長しています。

 

種から根と子葉と呼ばれる葉を伸ばし、小さな鱗茎を形成させます。
この鱗茎が、後に大きく育つことによって、地上部の葉の枚数が増え、
葉の厚みや幅も大きくなっていくのです。

 

種を播いた後、しばらくは動きがないように見えますが、
土の中では生長を続けているので、諦めないようにしてください。

 

葉が地上に出てくるまでは、寒冷紗や不織布を種まきした容器の上にかぶせて、
べたがけします。
土を乾燥させないように注意し、乾いたら水を与えます。

 

 

萌芽した行者ニンニク

 

 

■その後の管理

 

種を播いた翌年、葉が1枚だけ地上に伸びてきます。
その年は葉が1枚伸びるだけで、また夏になると地上部が枯れて休眠します。

 

次のシーズンになると、葉数が1枚~2枚になりますが、それ以上は増えません。
ただ、地下の鱗茎は生長を続けているため、
初年度に比べると大きく育っているはずです。

 

ここまで、種を播いたのと同じ容器内で栽培しているため、
徐々にスペースが狭くなってきます。

 

株間を確保するためにも、一度掘り上げて株ごとに分け、移植しましょう。
移植した後は、苗や塊茎を購入して植え付けた後と、管理は同じになります。

>>行者ニンニク 栽培

 

■参考

・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・行者ニンニク 栽培
・ニンニクの芽 栽培



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