ニンニク 紅色根腐病
ニンニクの収穫時期です
ニンニクの紅色根腐病(こうしょくねぐされびょう)は、
地上部に症状がでにくいため、発見が遅れることが多い病気です。
また、病気に感染していることが分かっても、
感染してしまった後では治療ができないことがほとんどです。
感染しても株が枯れてしまうことは少ないものの、
収量が激減することもあるため注意が必要な病気です。
また、感染後の治療が難しいことから、予防に徹する必要があります。
[ニンニク 紅色根腐病]
■症状
ニンニクの生育期間中、地上部にはほとんど症状が出ません。
栽培後半になってから、感染していない株と比べると、
地上部の生育が多少悪く、早くに葉が枯れこむといった特徴が出ます。
葉がいくらか枯れてくる頃には、収穫の時期にさしかかっているため、
不審に思わずに、実際に掘り上げてみると、球が肥っていません。
また、ニンニクの根をよく見てみると、赤っぽく変色しています。
症状が重い株は、根が全体的に赤くなっている他に、
中心が空洞になって表面だけが残っている状態のこともあります。
根が傷む病気なのと、栽培後半になって感染することが多いため、
ニンニクの球の肥大に大きく影響します。
球が肥大する大切な時期に、根がうまく機能していないため、
感染していない株に比べて球が小さくなります。
■原因
紅色根腐病は、土中に病原菌が潜んでいて、土壌感染によってかかる病気です。
以前に同じ病気にかかった場所は、何年も病原菌が残るため、
消毒せずにニンニクを育てると感染率が高くなります。
毎年同じ場所で栽培を繰り返すと、年々菌の濃度が高くなり、
感染率も高くなっていきます。
■対策
土の水はけを良くしておいたり、窒素分の多い肥料は控えるなど、
株を健全に育てるための工夫は必要ですが、一番大切なのは土壌消毒です。
特に以前に被害が出た場所は、菌が残っている可能性が高いため、
必ず土壌消毒をしてからニンニク栽培を始めるようにします。
太陽光を利用した熱消毒も良いですが、
バスアミド微粒剤などの薬剤を使った土壌消毒の方が確実です。
◎感染してしまったら
感染株は収穫段階にならないと分からないことも多いため、
栽培中は手を出せないことが多いです。
いざ収穫の段階で感染株を見つけたら、土の中の根を除去します。
また、収穫後に切り取った葉や皮などを、
土に埋めるなどして処理するのはやめておきましょう。
ニンニクの感染株の葉や根には、菌がたっぷり含まれています。
そんなものを土に埋めてしまうと、土の中の菌を増やしてしまうだけです。
感染株を見つけた場合は、その他の健全株の残滓も、
土には埋めずに処分した方が無難です。
感染株が出た場所は、必ず土壌消毒をしておきます。
感染株や健全株の残滓を土に埋めていなくても、
土には菌が残っている可能性があります。
菌が残っている以上、紅色根腐病に感染する可能性はなくならず、
菌の濃度が高ければ、感染の可能性は高くなります。
次のニンニク栽培で感染株を出さないためにも、土壌消毒は必須です。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・ニンニクの芽 栽培
・行者ニンニク 栽培