ニンニク 収穫 遅れ
ニンニクは栽培期間が長いため、収穫の時期が待ち遠しく感じます
けれど、いざ収穫時期になってみると、
少しでも大きく立派なニンニクを収穫したい、
という思いから、収穫が遅れることがあります。
ニンニクの収穫が遅れると、どのような問題があるのでしょうか。
[ニンニク 収穫 遅れ]
■ニンニク 収穫 遅れ
ニンニクの収穫適期は、品種によって少しずつ時期が変わりますが、
収穫の目安はあまり変わりません。
基本的には、地上部の軸や葉が黄変してきたら、収穫適期となります。
ただ、遠州極早生などの品種は、収穫適期になっても地上部が黄変しにくく、
一見するとまだまだ収穫が遠いように見えることがあるようです。
見た目は収穫適期でなくても、すでに収穫遅れとなっている場合もあるそうです。
ニンニクは、収穫時期が近づいてくると、鱗片が肥大してきます。
1株についている鱗片が全体的に肥大してくるため、球全体が大きくなっていくのです。
収穫が遅くなると鱗片の肥大は進みますが、今度は表皮が破れてしまい、
球割れという状態になります。
収穫したニンニクが球割れしている場合は、収穫が遅かった可能性が高いです。
また、ニンニクは球のお尻部分から根が出ていますが、この根が伸びている部分が、
周りよりも強く凹んでいる場合は、収穫が遅いサインです。
適期に収穫したニンニクは、お尻の部分が平らかほんの少し凹んでいる程度です。
収穫が遅れたため、球割れや球の不揃いが見られます
■ニンニク 球割れすると?
ニンニクの収穫が遅れても、お尻部分が凹んでいるだけなら、
食べるのに問題はありません。
それよりも、球割れの症状が出ていたニンニクの方が、
収穫遅れの影響を大きく受けています。
ニンニクが球割れするということは、どういうことなのでしょうか。
・商品価値が落ちる
ニンニクは、鱗片の表面に一枚の皮があり、その外側を何重にも薄い皮が覆っています。
球割れを起こしているということは、この表面の薄い皮が破れている状態です。
どのような植物もそうですが、皮というのは中身を守るための、大切な器官です。
それが破れているということは、中身が何等かの被害を受ける可能性が高くなる、
ということです。
また、球割れしているニンニクは、見た目が良くありません。
皮がキレイに覆っているものと、球割れして中が見えているものなら、
割れていない方を選ぶでしょう。
つまり、球割れすると、商品としての価値がかなり下がるということになります。
もちろん、家庭菜園で収穫したニンニクなら、商品としての価値がなくても良いですが、
おすそ分けするのがはばかられることもあります。
・腐敗の原因
球割れして中が見えているということは、
空気や水が中に染み込む可能性が高いということです。
土の中にある間は、土が含んだ湿り気が内部に入り込み、
腐敗の原因となることがあります。
収穫直後は問題ないように見えても、
実際に皮を剥くと中にカビが発生していたり、変色していることもあります。
・病害虫の被害
球割れしていると、内部まで害虫が入りやすくなります。
土の中や地表近くは、色々な虫が生活しています。
ダンゴムシなどが食い荒らしたり、隙間にナメクジが詰まっていたりと、
良いことはありません。
害虫でなくても隙間に小さなクモが巣を張っていたりすることもあります。
また、皮が割れた隙間から土が内部に流れ込むことによって、
病気の菌が残る場合があります。
食べる分には問題ありませんが、そのニンニクを次の栽培の種球にする場合は、
よくニンニクを見て消毒するのが良いでしょう。
・貯蔵性の低下
ニンニクの表皮というのは、病害虫や湿気、
乾燥から中の鱗片を守る役割を持っています。
そのため、球割れして皮が大きく割れてしまうと、色々な影響を受けるようになります。
球割れしているだけで、見た目は特に問題がないものも、
貯蔵中にその影響を受けることがあります。
収穫後、貯蔵性を高めるために乾燥させますが、
この時に球割れニンニクは正常なニンニクよりも水分が抜けやすくなります。
乾燥が進んだニンニクは、肝心の鱗片が痩せてしまい、
料理にも使えなくなります。
反対に、外の湿気を中に吸い込みやすくなります。
梅雨の時期など、湿度の高い時期は、
ただでさえカビの発生や傷みが多くなる時期ですが、
球割れしているとその可能性がさらに高くなります。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・行者ニンニク 栽培
・ニンニクの芽 栽培