除けつ

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除けつとは?

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トウモロコシは無除けつで育てるのが一般的です

 

 

除けつ(除蘖)という言葉を聞いたことがありますか?
野菜などの育て方が載っている資料で見たことがあるかもしれませんね。

 

普段の生活では、ほとんど耳にすることのない、
除けつ」とは、どういう意味の言葉なのでしょうか。

 

[除けつとは?]

 

 

■除けつとは?

 

除けつとは、簡単にいうと、分けつした部分を取り除く作業のことです。
除けつが分からない場合は「分けつ」という言葉も、
聞きなれない言葉なので、まず分けつについてご説明します。
*分蘖は、ぶんげつと読むのが正しいのですが、
ぶんけつと一般的に読まれます。また、蘖はヒコバエのことを指します。

 

・分けつとは?
イネ科(イネ、ムギ、トウモロコシなど)の根元あたりから、
新芽が伸びて株が分かれすることです。

 

ナスやトマトなどの果菜類では、枝の付け根などから新芽が発生しますが、
これは正確には分けつとは呼びません。

 

イネやトウモロコシなど、イネ科の植物を観察すると分かるのですが、
最初は1本だったものが、分けつすると地際から新しい茎を伸ばし始めます。

 

イネやトウモロコシの場合は、分けつすることで枝数や葉数を増やし、
光合成できる範囲を広げ、養分をたくさん作りだします。

 

この養分は株の充実にとても重要なもので、株の充実具合が悪ければ、
よい米やトウモロコシは収穫することができません。

 

イネ科以外の植物でも、ニンニクやタマネギ、ネギ類なども分けつが起きます。
野菜の種類によっては、イネのように放っておいた方が株が充実するものや、
放っておくことで養分が分散し、収量が減るものとがあります。

 

分けつした状態で育つことで収量が減る野菜に関しては、
途中で分けつした部分を取り除く「除けつ」という作業が必要になります。

 

除けつすることにより、1点に養分が集中するため、
可食部分が大きく育ち、収量が増えるという仕組みです。

 

 

■除けつが必要な野菜

 

分けつはイネ科の植物や、ニンニクやネギなどのユリ科の植物に起きやすい現象です。
野菜だと、イネ科はトウモロコシ、ユリ科はニンニク・ネギ・タマネギなどです。

 

イネ科の野菜は、分けつすることで葉の数を増やし、光合成できる量が多くなります。
そのため、除けつは基本的には不要(無除けつ)です。

 

むしろ除けつすることで、光合成できる量が制限されますし、
傷口を増やすこととなるため、病気にかかる可能性が高くなります。

 

ユリ科の野菜であるニンニクやタマネギ、ネギなどは、
分けつした後の生育過程が異なるため、除けつが必要かどうかが変わります。

 

 

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ニンニクは、生育の良い芽だけを残して除けつします

 

 

・ニンニクの場合
ニンニクは収穫したものを、次のシーズンの種球として使うことができます。
種球として使う時に鱗片ごとにばらして植え付けますが、
分けつが起こっている部分からは、芽が複数出てくることになります。

 

そのままにしておくと、養分が分散してしまうので、
生育の良い芽だけを残して除けつします。

 

 

分けつしにくいですが、分けつしても除けつは必要ではありません

 

 

・タマネギの場合
タマネギの場合は、上手に育てることができれば、
分けつすることがほとんどありません。

 

植え付け時の苗が大きかったりすると、
春頃に分けつし、球が複数に割れてしまいます。

 

この時、そのまま放っておいても良いのですが、
一番大きい球を残し、残りを除けつすることもできます。

 

除けつした球にも根がついている状態なので、
別の場所に植えると、球が少し大きくなり収穫できる場合があります。

 

タマネギの場合は、除けつを絶対に行うべきというよりは、
面倒でなければやってみると面白い、くらいに考えると良いでしょう。

 

いずれにせよ、分けつした状態で育てても、
それぞれに分けて植えなおしても、通常のように大きな球にはなりにくいです。

 

ホームタマネギは、分球すると変形しやすいので、
除けつしたほうが形は、良くなります。

 

 

ネギには除けつは、あまり必要ではありません

 

 

・ネギの場合
ネギの場合は、ニンニクやタマネギのように球が肥るわけではありません。
分けつしても、長いネギがいくつにも増える状態となるので、
一度収穫をかねて掘り上げた後、株ごとに分けます。

 

分けたうち、利用する分を除いた残りを植え直し、また育てるという方法があります。
そのため、ネギにはあまり除けつの作業は必要ありません。

 

ネギは分けつすることで株が増え、品種によっては分けつすることで収量が増えます。
そのため、どちらかというと分けつした後の株分け作業が必要となります。

 

 

■除けつ時の注意点

 

除けつをする時は、どれだけていねいに作業を行ったとしても、傷が残ります。
この傷部分の乾きが遅いと、傷口から菌が侵入しやすくなり、
病気にかかる可能性が高くなります。

 

除けつ作業を行う時は、晴れた日の午前中が良いです。
よく晴れた日なら、傷口の乾燥も進みますし、
早いうちに作業を終えておけば、乾く時間も確保できます。

 

また、できれば翌日も晴れの日に作業を行います。
万が一、一日では傷口が乾かなかった場合、
翌日が雨だと余計に傷口が乾きにくくなります。

 

また、雨で泥が傷口に触れやすくなるため、
土に含まれている菌が流れ込みやすくなります。

 

意外と見落としがちなのが、水やりです。
除けつ作業のすぐ後に水やりを行うと、雨が降った時と同じ状態となり、
菌が入り込み病気にかかりやすくなるので注意しましょう。

 

■参考

・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・ニンニクの芽 栽培
・行者ニンニク 栽培



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