ニンニク 鱗片の数
鱗片が多いニンニク品種
Q:ニンニクを何回か育てたのですが、収穫したニンニクの鱗片数が多いです。
市販されているような、大きな鱗片のニンニクを育てたいのですが、
何かコツはありますか?
A:品種の差と形成時の気温が関係しています。
[ニンニク 鱗片の数]
一般的なスーパーなどでよく見かけるニンニクといえば、
青森県が主に生産しているホワイト六片と呼ばれる品種です。
ホワイト六片は鱗片のサイズが大きく、
名前の通り1つの球に5片~7片の鱗片が入っています。
鱗片が大きいと、調理の時に皮が剥きやすかったり、
丸ごと調理した時に食べ応えが出るので、
育てるならできるだけ鱗片を大きくしたいと思うでしょう。
けれど、実はニンニクの鱗片のサイズは、品種による差も大きいのです。
ホワイト六片は、鱗片が大きい品種の代表です。
けれど、同じくスーパーでよく見かける中国産のニンニクを見ると、
鱗片が小さいことが多いです。
また、近年流通が増えているイタリア産のニンニクも、
ホワイト六片と比べると鱗片が小さく、1球に入っている鱗片数が多いです。
日本国内で生産されているニンニクの多くが青森県で生産されているため、
目にする機会も多いです。
けれど、国産ニンニクの中にも、鱗片数が多いものはあります。
特に西の方の暖かい地方で生産されるニンニクは、鱗片が小さく数が多いです。
沖縄で栽培されている島ニンニクが良い例です。
島ニンニクは球自体も小ぶりですが、
さらに中にたくさんの鱗片が詰まっているため、鱗片1つ1つは小さいです。
栽培しているニンニクの鱗片が小さく、鱗片数が多く入っているのは、
こういった品種による差の可能性が高いです。
ニンニクは暖地向き、寒地向きの品種に分かれています。
暖地向きの品種の多くは、鱗片がもともと小さいので、
そういった品種を育てているのであれば、
小さな鱗片のニンニクが収穫されるのは普通のことです。
ホワイト六片、鱗片が少なく味も良いです
もし、栽培に利用している種球がホワイト六片など、鱗片が大きい品種なのであれば、
鱗片が形成される時期の気温が問題かもしれません。
ニンニクは秋に植え付けをして、収穫は翌年の初夏になります。
栽培期間は長いのですが、実際に地下で新しい鱗片が形成されるのは、春頃です。
この時期の気温が高いと、鱗片が小さくなりやすいといわれています。
時期はだいたい4月~5月くらいで、これは地域や品種によって差があります。
暖地のような暖かい地域では、寒地に比べて気温が高いため、
鱗片が小さくなる傾向にあります。
つまり、ホワイト六片のように鱗片が大きい品種を育てていても、
形成時期に気温が高くなりやすいことから、鱗片が細かく分かれ、小さくなるのです。
土の中を鱗片を太らせるなら、気温が高い方が良いように感じますが、
ニンニクの鱗片分化に関しては、低温の方が良いようです。
栽培している地域にもよりますが、
中間地~暖地のように春の気温が高い地域での栽培では、
鱗片が小さくなりやすいです。
暖地用の品種を栽培するか、その時期に合わせて暑さ対策するのがポイントです。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・行者ニンニク 栽培
・ニンニクの芽 栽培