ニンニク栽培 寒冷地
青森のニンニク畑
ニンニクは、日本はもちろん、世界中で栽培されている植物です。
料理に使われることも多く、料理以外の用途もたくさんあります。
ニンニクは、寒さに強い性質を持っていますが、
日本の寒冷地ではどのように栽培すれば良いのでしょうか。
[ニンニク栽培 寒冷地]
■ニンニク栽培 寒冷地
ニンニク栽培は、日本の暖地である沖縄や九州から、
寒冷地である北海道まで、どこででも育てることができます。
基本の管理や栽培する環境などは同じですが、
ニンニクを寒冷地で栽培する際の注意点をまとめました。
・品種を選ぶ
ニンニクにも、実はたくさん品種があります。
品種によって特性が違い、選ぶ時のポイントの1つとなるのが、
暖地向きか寒冷地向きかです。
沖縄や九州、四国など、関西以西の暖地の場合、暖地向き品種を選びます。
暖地向き品種は、休眠期間が非常に短く、少し気温が上がってくると生育を開始します。
東北や北海道などの寒冷地で栽培できるのが、寒冷地向き品種です。
国産ニンニクの代表品種である、ホワイト六片は寒冷地向きの品種です。
そのため、青森県で多く栽培されているのです。
他にも、同じ寒冷地である北海道で古くから栽培されている富良野という品種も、
寒冷地向きの品種です。
寒冷地向きの品種は、冬の休眠が深いので、寒さにとても強い性質を持っています。
葉の上に雪が積もっていても、しっかりと雪解けまで耐えることができるのが特徴です。
暖地向きの品種を寒冷地で育てると、球が思うように育たなかったり、
まだ寒いのに休眠から目覚めてしまい、寒さによって枯れることもあるので、
品種選びは間違わないようにしましょう。
・植え付け時期を守る
寒冷地は、中間地や暖地に比べると、秋に気温が下がるのが早いです。
冬の寒い期間が長く、春になって気温が上がってくるのもゆっくりです。
そのため、植え付けから収穫までにかかる時間が、暖地よりも長いです。
寒冷地で遅めに植え付けると、芽が地上に出た直後や、
芽が出る前に寒くなってしまい、休眠前の生育が確保できません。
休眠前の生育が悪いと、どうしても休眠後の生育にも影響するので、
植え付け時期は逃さないようにします。
一般的なニンニクの植え付け時期は、9月中旬~11月となっていますが、
寒冷地の場合は、9月中旬~10月には植え付けを行いましょう。
まだ夏の暑さが残っていると、芽が出るまで時間がかかるので、
植え付け適期に入って暑さが和らぎ、朝夕が涼しくなったなと感じたら、
植え付けをしても良いでしょう。
黒色のビニールマルチがお勧めです
・マルチを利用する
ニンニクはマルチがあってもなくても栽培できますが、
寒冷地であれば黒色のビニールマルチを使った栽培がお勧めです。
黒色のビニールマルチを使うことで、休眠前は地温が下がりにくくし、
休眠後は地温が上がりやすくできます。
早めに地温が上がれば、それだけ生育スタートするのが早まりますし、
積雪した時に湿気が土に入りこみにくくなります。
・必要であれば寒さ対策を
寒冷地向きの品種を選んでいれば、基本的には寒さにとても強いので、
寒さ対策はあまり必要ではありません。
ただ、プランターなどの容器栽培をしている場合は、
外気の影響を受けやすいので、寒さ対策をした方が良いことがあります。
地植えは地面の中にニンニクが植わっているので良いのですが、
プランターなどの容器栽培の場合、容器の中に土が入っていて、
そこにニンニクが植わっているので、容器に冷たい風が当たれば、
ダイレクトにそれが土に伝わります。
寒さに強い寒冷地向きの品種であっても、土が凍ったり、霜が頻発したりすれば、
地中にある球や根が傷んだり、株元が傷んで病気の原因となります。
ニンニクを育てているプランターごと、一回り大きい容器に入れ、
隙間に土を入れることで二重鉢状態となり、外気の冷たさを遮断してくれます。
プランターの側面をプチプチで包むだけでも防寒効果があります。
また、株元を敷きワラや籾殻などを使ってマルチングしておくことで、
株元に霜がおりるのを防げます。
地植えをしている場合であっても、株元のマルチングだけはしておく、
という方は多いようです。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・行者ニンニク 栽培
・ニンニクの芽 栽培