ニンニク 肥料過多
奇形球が多く肥料過多と思われるニンニク
ニンニク栽培には、肥料はとても大切です。
ニンニクは光合成することで、生長に必要な養分を作りますが、
それでは、品質の良い球を収穫するのには、不足することがあります。
特に球ニンニクを栽培する時には、球を十分に肥らせるため、
必要な時に肥料が切れないように追肥することがポイントです。
けれど、肥料は与えれば与えるだけ良いというわけではありません。
肥料を与えすぎることによって、ニンニクの生育に支障が出ることもあります。
ニンニクが肥料過多になると、どのような害が起きるのでしょうか。
[ニンニク 肥料過多]
■肥料過多の症状
肥料過多で起きる症状は1つではありません。
生長過程によって、出やすい症状もありますし、
消費しきれない成分によって症状が異なることもあります。
以下のような症状が出た時は、肥料過多が疑えますので、
注意をしながら追肥すると、収穫に差が出ます。
多肥による生育不良
・二重葉
葉が二枚、重なったように見える症状が出る場合は、窒素が多い時に見られます。
ニンニクは地下の状態がよく見えないため、
地上の葉を大きくしようと、窒素を多く与える方がいます。
窒素は葉を育てる肥料と言われています。
ニンニクにとっても同じですが、葉に栄養がいきすぎることで、
二重になったように見えるような症状が出てしまいます。
ニンニクの二重葉
・球の肥大不良
球の肥大には肥料は必要ですが、
与えすぎによって、球の肥大が悪くなることもあります。
肥料をたっぷり与えていたのに、
地中の球が大きくなっていない場合は、肥料過多の可能性が高いです。
二重葉と同じように、特に窒素が多い場合が多いので注意します。
窒素が多いと、地上部の葉が大きく育つばかりで、地下の球はあまり大きくなりません。
地上部に比べて球が小さい場合は、窒素過多が原因であることが多いです。
・奇形球
ニンニクは植え付けから収穫までの期間が長く、
秋・冬・春・初夏と、ほとんどの季節を畑や容器の用土で過ごします。
それぞれの時期にはそれぞれの時期に合った生育段階があるのですが、
肥料を多く与えたために、生育が前倒しになることがあります。
本来なら葉が4枚~5枚ほどで冬を越すはずが、
すでに7枚以上になっている場合などは、注意してください。
早くに生長しすぎたものは、冬の間に冷害にあって傷んだり、
生長のバランスが悪く奇形球を形成することがあります。
奇形球の原因は肥料過多だけではありませんが、注意します。
・苦みが出る
肥料をたくさん与え、なおかつ肥料止めが遅い場合、
ニンニクに苦みが出ることがあります。
肥料止め自体は遅くなくても、大量に肥料を与えていたために、
いつまでに肥料の効果が続き、苦みが出ることもあります。
サビ病にかかったニンニク
・病害虫が増える
肥料の中でも、窒素が多い状態になると、病害虫を寄せることがあります。
害虫はアブラムシ、病気ではサビ病などにかかる可能性が高くなります。
アブラムシは食害の他、ウィルス性の病気を媒介するので要注意です。
サビ病も、ひどくなければ生育に影響は出ないことが多いですが、
ひどくなると畑一面に広がり、生育不良に陥ることもあります。
また、肥料過多で軟弱に育つことで、特定の病気以外にもかかりやすくなります。
*ニンニクの地植え、プランター栽培の、
具体的な肥料の与え方はこちらをご覧ください。
>>ニンニクの肥料
■多肥の予防
ニンニクを多肥にならないように育てるには、適切な追肥をすることです。
基本は、植え付け後に芽が出そろった頃に1回と、越冬後に1回の2回が基本です。
その時に与える肥料の量も、多いと効き目が良いというわけではありません。
肥料が足りない場合は、球の肥大がやや悪くなる程度で済みます。
しかし、肥料過多の場合は、球の肥大が悪くなったり、
病害虫にかかりやすくなったりと、弊害が大きくなります。
また、肥料が足りないのであれば足すことができますが、
多く与えすぎてしまった場合は、減らすのはとても難しくなります。
肥料は適量を守ることが大切です。
初心者のうちは、加減が分からないこともあるでしょう。
その場合は、何度か育てて加減を覚えるようにします。
よく分からないうちは、少なめに与えるよう心がけておくと、失敗が減ります。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・ニンニクの芽 栽培
・行者ニンニク 栽培