一片種
一片種
一片種ニンニク(プチニンニク)という、分球しないニンニクがあります。
一般的なニンニクであれば、鱗片1つを植え付けると、
生育する過程で分球し、複数の鱗片がついた1つの球となって収穫されます。
ところが、この一片種は分球せず、まるで小さなタマネギのような状態なのです。
あまり見かけることのない一片種とは、どのようなニンニクなのでしょうか。
[一片種]
■一片種ニンニク(プチニンニク)の特徴
・色・形
分球せずに丸のままになるため、
一般のニンニクのように半月形の鱗片ではなく、ミニタマネギのような姿です。
皮は品種によって、真っ白だったり、
少し黄色っぽかったり、表面に赤紫が入っていたりします。
品種はいくつかあるようですが、スーパーで見かける一片種のニンニクは、
基本的には中国から輸入されたものになります。
品種によって、皮の色には少し幅がありますが、
皮を剥いた中身は、どれも真っ白です。
皮を剥いた状態だと、ころころとした栗のようでかわいらしいです。
1球としては小さいかもしれませんが、分球していない分、
他のニンニクの鱗片1つよりもずいぶんと大きいです。
そのため、料理に使う時には、1個でもそうとうな量がとれます。
・香りと味
中国から輸入されている一片種は、香りも味もマイルドです。
品種や産地により香りが強かったり辛みがあったりと、やや違いが出るようです。
私が焼肉屋さんからもらった一片種は、辛みが強く臭いも割と強めでした。
1個をそのままスライスすると、
普通のニンニクのスライスよりも大きくなるので、見栄えがします。
また大きくて丸い形を生かして、丸ごと揚げたり蒸したりする料理でも楽しめます。
風味はマイルドですが、薬味としても使うことが可能です。
1個が大きく、皮も剥きやすいので、調理に手間がかからないのも魅力です。
焼肉に美味しかったです
■一片種ニンニク(プチニンニク)の栽培のコツ
育て方は、一般的なニンニクの育て方と同じです。
一片種は、地中では一般のニンニクのような状態になることが多いようです。
中央に葉鞘があり、その周りに丸い一片種がいくつかついている状態です。
一片種を育てる時は、1個丸ごと植え付けに使います。
他のニンニクよりも大きいものを植えるので、
見た目のかわいらしさとは違う、太くて立派な葉を伸ばしてきます。
トウ立ちをすると、花茎を長く伸ばした先に花を咲かせます。
植え付けた一片種の大きさにより、花茎はかなり長くなる場合があり、
その時の草丈は1.5メートルを超えることもあるようです。
葉ニンニクや茎ニンニク(ニンニクの芽)としても利用できますが、
やはり球ニンニクとして育てるのがお勧めです。
植え付ける種球は、園芸店などではほとんど販売されていません。
ネット上のお店では取り扱いがある可能性もありますが、
今のところは種球として生産している大手メーカーはないようです。
育てるにはスーパーや直売所などで売られている、
食用の一片種ニンニクを使って育てましょう。
地域や時期によって、一片種の取り扱いがない場合があるため、
見つけた時に買っておくと安心です。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・行者ニンニク 栽培
・ニンニクの芽 栽培