ニンニク 有機肥料
家庭菜園に有機肥料を混ぜ込むようす
ニンニク栽培の肥料は、一般的に元肥と2回の追肥をします。
追肥は、植え付け後しばらくしてから1回と、春に1回の計2回です。
栽培している環境や方法によっては、追肥の回数が増えることもあります。
反対に、栽培方針によっては追肥の回数が減ることもあります。
けれどここで気になるのが、元肥や追肥に使う肥料の種類です。
肥料には大きく分けて化学肥料(無機肥料)と有機肥料があります。
化学肥料は、ホームセンターでもよく販売される化学成分で作られた肥料です。
では、有機肥料とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。
また、ニンニクを有機肥料で育てるとどうなるのでしょうか。
[ニンニク 有機肥料]
■有機肥料の特徴
有機肥料は、化学肥料(無機肥料)とは違い、
米ぬか、油カスなどが腐る過程で生まれる、
「肥料成分」からできている肥料のことを指します。
細かい公定規格があり、堆肥、鶏糞、牛糞は、特殊肥料とされています。
堆肥は、有機物が微生物により分解を終えた肥料です。
ただし、米ぬかを土に直接加えても、肥料とは呼べません。
米ぬかなどの有機質のものを分解し、
植物が吸収できる状態となったものが肥料となります。
有機肥料の原料となる米ぬかや油カスなどを土に直接混ぜると、
そこから発酵・分解が始まり、肥料が効き始めるまでに時間がかかります。
田に鶏糞を撒いています
有機肥料は、じっくりと長く効く性質があるため、
肥料が効き始めるまでの時間を考えて使用すると効果的です。
また、発酵している間は、熱やガスが発生するなど、
植物の生育を阻害することもあります。
反対に、この熱を利用して寒い時期に苗を育てることもできます。
有機肥料も化学肥料と同じで、ホームセンターなどで手に入りますが、
使いやすくお勧めしたいのはボカシ肥と呼ばれるものです。
ボカシ肥は、米ぬかなどをすでに発酵させたものなので、
熱やガスの発生がありませんし、肥料の効き始めも早めです。
ニンニクが育つ時に必要な、窒素・リン酸・カリの配合も調整されていて、
養分の偏りを防ぐこともできます。
化学肥料は、窒素・リン酸・カリといった基本の要素が組み合わせたもので、
水に触れることで成分が溶け出る仕組みになっています。
対して有機肥料は、有機質を発酵させてできたものなので、
含まれている要素は単純ではありません。
基本の3要素の他にも、微量成分が含まれていることも魅力の1つです。
ただ有機肥料は化学肥料のように、水で簡単に栄養素が溶け出るわけではありません。
微生物などによって分解されることで肥効が出てくるので、
有機肥料は化学肥料に比べると、周りの環境に左右されやすい肥料です。
そのため、土の性質により、特定の成分が効きにくいこともあります。
ボカシ肥に含まれている窒素・リン酸・カリの比率も、
化学肥料に比べると低いことが多いです。
そのため、化学肥料を与える時より少し多めに施肥するのがポイントとなります。
ただし、多く与えすぎるのも良くないので加減が必要です。
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■有機肥料で育てたニンニク
ニンニクを有機肥料で育てたものと、化成肥料で育てたものを比べると、
有機肥料で育てたニンニクの方がおいしくなるといわれています。
ニンニク特有の香りが強くなり、甘みや辛みなど、
その品種が持つ特性が強くなる傾向があります。
もちろん、化学肥料を使って育てたからといって、
味が薄くてまずいというわけではありません。
同じ有機肥料で栽培したニンニクであっても、
適切に与えなければ、味わいの少ないニンニクに仕上がります。
■ニンニク栽培での有機肥料
有機肥料と聞くと、とても良いもののように感じますが、
より適切な使い方をすると、効果が大きいです。
家庭菜園でチャレンジするのであれば、
最初は化学肥料と有機肥料を両方使って育ててみるのが良いでしょう。
有機肥料はゆっくりと効き、化学肥料は即効性があるものが多いです。
例えば、最初に土作りの際に加える肥料は、ゆっくりと効く有機肥料にして、
途中で与える追肥には即効性のある化学肥料を与えます。
ニンニク栽培での追肥は、ニンニクが葉を育てたり球を肥らせたりする時に、
必要とする栄養分を、効率よく与えるのを目的としています。
そのため、化学肥料のように土の成分に左右されず、
土の水分量によって効果を調節できる肥料を追肥に使うと失敗が減ります。
■参考
・ニンニク 地植えの栽培
・ニンニク プランターの栽培
・ジャンボニンニクの栽培
・ニンニクの芽 栽培
・行者ニンニク 栽培